メーター内にエンジンチェックランプが点灯した際、今となっては故障診断器で確認するのが一般的となっていますが、古い車種では故障診断器を使わなくても確認する方法がありますので紹介します。
目次
データリンクコネクター(DLC)
コントロールモジュール(ECU)の通信設備であるデータリンクコネクター(DLC)は、一般的にダイアグコネクターと呼ばれているものですが、本来は故障診断器を接続するために設けられています。
- ECUに記憶されているトラブルコード(DTC)の確認
- トラブルコード(DTC)の消去
- 出力制御テストの実施
- シリアルデータの読み取り
故障診断器を用い、これらの作業を行う事が出来ます。
データリンクコネクター(DLC)の場所
比較的新しい車両では、ダイアグコネクターは決められた位置にしっかり固定されていますが、この頃のエルフは、コネクターが固定されておらず運転席の足元右側の配線部分に黒色の16極のコネクターがあるはずです。
診断器なしでダイアグコードを読み取る
ECUに記憶されて現在及び過去のトラブルコード(DTC)をダイアグコネクターの端子を短絡(ショート)させることにより、エンジンチェックランプを点滅させ、その回数を読み取ることでダイアグコードを確認する事が出来ます。
※短絡(ショート)は、針金やクリップを使って行えますが、端子を間違わないように注意してください。
車両 イスズ エルフ 18年2月登録 NPR81 エンジン 4HL1
- スタータースイッチをONにして、エンジンチェックランプが点灯することを確認する。
- スタータースイッチON(エンジンは始動しない)の状態で、ダイアグコネクターのNo.6ピンとNo.4ピンをショートさせる。
- エンジンチェックランプの点滅回数を読み取る。
- ダイアグコード表で内容を確認する。
No.6ピンとNo.4ピンをショートで表示されない場合
修理所では、ダイアグコネクターのNo.6ピンとNo.4ピンをショートさせるように記載されていますが、エンジンチェックランプが点滅しない場合がありますが、端子をよく見ると6番ピンに端子がありません。コネクターを裏から見たら配線が来ていないのです。これではダイアグコードは表示されるはずがありません。
この場合は、No.6ピンの代わりにNo.1ピンとNo.4ピンを短絡(ショート)させることで、メーター内のエンジンチェックランプが点滅するはずです。
故障診断器の電源が入らない
ちなみに、お使いの診断器によるかもしれませんが、今回紹介のエルフにダイアグコネクターを接続しても故障診断器が表示されません。どうやら故障診断器は、さっき説明した6番ピンから電源を取っているようです。このような時の対策としては故障診断器に付属の電源線を取付け、外部電源を供給すれば表示されるはずです。
トラブルコードの見方
トラブルコードが記憶されていない場合
ECMにトラブルコードが記憶されていない場合、2.4秒消灯0.3秒点灯を繰り返えす点滅でコードの記憶がない事を表します。
トラブルコードが記憶されている場合
最初に2~4秒程度消灯から始まり、その後ECMに記憶しているトラブルコードを表示します。
トラブルコードが複数ある場合は、番号の小さいものから順に3回ずつ表示されます。
例 トラブルコード46番と82番の場合
消灯2~4秒 46 → 46 → 46 → 82 → 82 → 82(エンドレスに3回ずつ表示を繰り返す)
トラブルコードの消去
ECMがトラブルコードを記憶した場合、修理が完了しても消去作業を行わない限りECMはトラブルコードを保持したままとなるので、強制消去する必要があります。また現在も故障が発生しているのか?それとも過去に発生したトラブルなのか?を確認する場合でも消去作業が必要となります。
- キースイッチをON位置にする。(エンジン停止)
- 自己診断コネクターをショート(No.6ーNo.4)もしくは(No.1ーNo.4)
上記の状態から以下の作業を行う。
- 1秒以上3秒以内の間アクセルペダルを踏む
- 1秒以上3秒以内の間アクセルペダルを離す
- 1秒以上3秒以内の間アクセルペダルを踏む
- 1秒以上3秒以内の間アクセルペダルを離す
- 1秒以上3秒以内の間アクセルペダルを踏む
- この操作が正常に行われると、エンジンチェックランプが3秒間点灯しメモリー消去を知らせる。
- キースイッチをOFFにし、5秒後に、もう一度スイッチをONにする。
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