保存か撤去で揺れているユニチカ記念館!レンガ壁が撤去された。

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兵庫県尼崎市内で最古の洋館として、国の近代化産業遺産に選定されている、「ユニチカ記念館」が、老朽化に伴う耐震化工事などに多額の修繕費がかかる事を理由として、所有者である「ユニチカ」が解体を検討されています。県や自治体が専門家を交えて検討しているようですが、直近の危険を取り除く為か煉瓦製のレンガ壁が取り除かれてしまいました。

ユニチカ記念館

明治33年(1900)に尼崎初となる大工場である尼崎紡績会社(現在のユニチカ)の本社事務所として建設され使用されていたものです。建築年代が判明している建物の中では、尼崎市内に現存する最古の洋風建築です。

建物は煉瓦造り2階建てで、外壁に使用されている赤煉瓦は大阪窯業・堺煉瓦等で作られた国産のレンガが使用されています。

レンガ塀 撤去

「尼崎が工業都市として出発した礎がこの記念館。場所性が失われてはいけない」として、日本建築学会近畿支部は「現地で保存するのが最善」との認識のもと、尼崎市および同市議会宛てに保存を求める要望書を提出したようです。しかし、尼崎市議会の見解では民間の施設であることを理由に難色を示ししている事から、兵庫県が動き出しユニチカ側に無償譲渡の打診しているようですが、昨年6月に提出された解体方針に乗っ取り外壁の取り壊しを行いましたが、まだ協議の余地が残されているようです。

現地保存をするには、高額な固定資産税がかかるなどの問題もある為、移転も視野にいれているようですが、レンガ造りの建物の移築は技術的な問題もあるようです。

撤去前のレンガ塀

大阪北部地震の時に倒れた塀に小学生が挟まれたという痛ましい事故もあったので、レンガ塀の撤去を先に行ったのだと思いますが、工事をしているのを見た時は建物を含め解体されてしまうのかと思い残念な気持ちでいっぱいでしたが、レンガ塀だけだったので胸をなでおろしたものの、レンガ塀も好きだったので残念です。

現在は、レンガの塀の代わりにフェンスが張られていますが下側部分にはレンガ塀が残されています。

レンガ塀撤去工事後
レンガ塀撤去前

表側の門付近のレンガ塀は残されていますし、門扉などは色が塗り替えられていた利しているので、ユニチカとしても保存したい気持ちはあるようですが、業績が悪化している所に新型コロナによる先行き不安から自社での保存を諦めたようです。

高架部分から見える風景は工事前と後でもあまり変わらないように配慮はされているものの、倒壊防止の為にフェンスが張られて、若干見てくれが悪くなりました。

歴史的価値のある建築物を後世に残すために行政が積極的に協力してくれることを切に願います。

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