土木学会の「日本の近代土木遺産~現存する重要な土木構造物2000選 」 に選定されている山田池堰堤は、淡河川疎水・山田池疎水と共に淡山疎水と呼ばれる農業用水確保のために築かれた疎水施設の一つですが、呑吐ダムの完成により現在はその役目を終えましたが山間部にその美しい姿のままたたずんでいます。
山田池堰堤
神戸市によると山田池堰堤の構造は直線重力式粗石モルタル工。1個150~200キログラムの石を5~10センチの隙間をおいて並べ、その隙間にモルタルを詰め、表面は花崗岩等の間知石の布積みとしており、山田川疏水工事完成後においても受益地内では新規開墾が相次ぎ、組合への加入が増加したためことから、しばしば用水が不足していた。その後大正13年の大干ばつに遭遇したのを契機に、組合は補助水源の建設を決議し、山田池を県営で実施することにされたそうです。
太陽と緑の道
山田池堰堤 へのアクセスは、呑吐ダムの周回道路である県道85号線から「 太陽と緑の道 」と呼ばれるハイキング道を通っていきますが、その入口が分かりにくいので地図で示しておきます。
入口には、標識が建てられていますが、少し奥まった所にあるので見落としてしまいがちです。また近くに停車できるところもありませんので、800m程先の衝原湖パーキングに止めてください。
山田池堰堤 は、呑吐ダムよりも高い所にあるので山道を登っていく事になりますが、入ってすぐにハードな道が待ち受けているので躊躇してしまうかもしれませんが、最初だけですので安心してください。
歩いていると目の前をオオアオイトトンボが横切って留まりました。山歩きをするので「XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ」をチョイスしましたが、軽くて写りが良く、広角側が広い上に寄ることができるので逃げずにじっとしているトンボも撮れるので、ますますお気に入りになりました。
ハイキング道の途中にも案内板がありますが、道なりに進んでいくだけですので迷うことはありません。
少し歩くと両サイドがシダに覆われた区間が出てきますが、この地点からもう少し行くと下りになりますので、道なりに降りていくと山田池に出ます。
ただ、池の直前で周遊道は立入禁止のフェンスで塞がれています。
入り口にある案内看板にも手書きでそのように記載してありました。
そのためハイキングをする方は、少し手前から池の方に降りているようです。ルートを示す矢印とピンクのリボンが木に結ばれていました。
池のほとりに出て少し歩くと、山田池堰堤が見えてきます。
反対側も封鎖されていますので、こちらの方も進むことはできません。
堰堤を渡ります。
内部には長く使われていなさそうな がありました。 柵のすき間から手を入れて撮影しましたが、これも「XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ」 がコンパクトなので成せる業です。
満水になるとここの部分から流れ出るようになっています。
モルタル部分にすき間ができているのか、ブロックの間から水が流れ出ているみたいですね。
堰堤の下部は木がうっそうとしていますが、呑吐ダムに続く川が流れているようです。
対岸に渡ると山田池について書かれた看板が設置されています。
最後に
山田池堰堤の成り立ちや ハイキング道である「 太陽と緑の道 」 入口やのルートの紹介をしましたが、普段歩かない方でも20分もあれば訪れる事が出来ます。ハイキング道の入り口付近は傾斜がきつく荒れているので躊躇してしまうかもしれませんが最初の部分だけですので、静かな湖畔にたたずむレトロな堰堤を訪れご覧になってほしいと思います。また、先日紹介したつくはら湖の「BE KOBE」から近いので合わせて訪れてみてもよいかもしれません。
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