能勢町は大阪府の最北端に位置することから、大阪のてっぺんとも呼ばれています。また大阪・京都・兵庫県の市街地から1時間ほどで、自然豊かな里山や田園風景を楽しめる能勢町のツーリング・ドライブスポットを紹介します。
歌垣山
能勢町に位置する歌垣山は、「摂津の歌垣」と呼ばれ古来から若い男女が集まり歌を交わす歌垣の山、いわば出会いの場所として知られており、「肥前の杵島山」(佐賀県白石町)、「常陸の筑波山」(茨城県つくば市)は、日本三大歌垣に数えられています。
標高553mの歌垣山の山頂部は男山と女山に分かれています。山頂部にある歌垣山公園の男山の「かがいの広場」には大きな東屋があり、西側の高岳や剣尾山や深山を望むことができ、女山の「ふれあい広場」の展望台からは半国山方面を望む事が出来ます。
歌垣山山頂近くには駐車スペースが設けられていますので自動車で上がる事も可能ですが、道が狭く一部未舗装路となっていますのでご注意ください。また冬季は積雪がありますのでバイクの方はご注意ください。
能勢変電所
国道477号線を亀岡方面に向かうと右手に入口があります。変電所までの距離は2キロ程ですが、走りやすい綺麗な2車線路になっています。
以前にローリング族によるトラブルがあったためか入口には道路管理者による二輪通行禁止の看板が建てられていますが、法的には二輪車が走行しても問題はなさそうですがマナーは守るようにしたいところです。
変電所の横には綺麗に整備された緑地も整備されていますが、知られていないのか、いつ行っても人がいませんので静かに過ごす事が出来ます。コーヒーセットを持って行っても良いかもしれませんね。
ここも冬季は道路が凍結することがありますのでご注意ください。
地黄陣屋跡
能勢氏の先祖「源頼国」が能勢の開発を進め、能勢氏を名乗るようになり平安後期からこの地で勢力を伸ばしてきました。戦国時代に明智光秀の本能寺の変に加担したともいわれ、明智氏滅亡に伴い能勢氏も滅亡しました。その後徳川家康に見出され家臣となった能勢頼次は、関ヶ原の戦いでの軍功が認められ旧領の他数十か所の村からなる領地を宛がわれ能勢に復帰し地黄陣屋(地黄城)を築城したとされています。
現在は西側や南側を中心に石垣が残されており、西中央には大手門跡を見る事が出来ます。また陣屋跡は隣にある旧東中学校のテニスコートとして使用されていましたが、2016年3月に廃校となってからは草原となっています。
地黄公会堂
地元自治会がヨーロッパ人に設計を依頼し「大阪市中央公会堂」を意識して、昭和11年(1936年)に建築されました。国道477号線沿いにあり、地黄陣屋跡からは道路を挟んで向かいにあります。黒い建物に白い窓枠が印象的な洋風建築です。
能勢妙見山
能勢氏再興を妙勝寺で願い、実現したことで日蓮宗に深く帰依していた能勢頼次は、家鎮として祀られてきた妙見大菩薩を法華勧請し法華経のご守護神として祀る能勢妙見山の建立し、領内各宗の日蓮宗への改宗を日蓮宗の僧「日乾上人」と共に教えを説き広めていきました。
天正8年(1580)織田信長の命を受けた塩川勢に22代目当主であった頼通が謀殺され、急遽23代目となった頼次でしたが居城であった丸山城は落ちた際に居城を妙見山(当時は為楽山)の山頂(大空寺趾)に移していたことから、能勢妙見山がこの地に建立されることになった様です。
標高 660mの妙見山は古くから西の日蓮宗総本山として、多くの参詣者が訪れ、休日には参詣とハイキングを兼ねて登る人たちで賑わいます。ハイキングコースには往年の参詣道の何本かが残っていますので、のんびり樹木の中を歩いてみても良いかもしれません。
また山頂には広い駐車場がありますので、マイカーでも安心して上がる事が出来ます。バイクで山頂に向かう場合、府道4号線の方は、土日は二輪通行禁止ですので、府道605号線で上がるようにしてください。
また大阪方面から下道で向かう場合、箕面ドライブウェイ(府道4号線)二輪終日通行禁止や時間帯で通行禁止のところがありますので、ご確認の上向かうようにしてください。
野間の大けやき
国の天然記念物に指定されている野間の大けやきは、能勢町のシンボルとなっています。西日本最大のこの大けやきは樹齢1000年ともいわれており、高さ27.37m、幹まわり13.01m、最大枝張は幅39.3m、高さ36.2mの巨樹です。
詳しくは敷地内にある「能勢町けやき資料館」で、この大けやきに関する資料が展示されていますのでご覧ください。
大ケヤキの前にはテーブルと椅子が並べられていますし、駐車場やトイレも完備されていますので、時間を忘れてゆっくりと過ごすことができます。
最近ではライダーの休憩場所としても定着しつつあるようです。
またフクロウやアオバズクが営巣する事でも有名です。雛が孵る時期には多くの野鳥ファンが訪れます。
ここ数年は影時に三脚の使用が禁止されていますので、手持ちで撮影できる機材で挑みましょう。
長谷の棚田
大阪府と兵庫県の県境に位置する能勢町にある長谷の棚田(ながたにのたなだ)は、面積は5.9haの敷地に200枚ほどの棚田が設けられています。築造年代は戦国時代末期とも言われる歴史のある棚田で千早赤阪村の下赤阪の棚田とこの長谷の棚田の2ヶ所が「日本の棚田百選」選定ています。
田んぼへは立ち入らない、農作業を邪魔しないなどマナーを守って見学しましょう。
最後に
市街地から少し走るだけでのんびりとした癒しを味わえる能勢町。今回は紹介していませんが隠れ家的なカフェやレストランが増えていますので、少し時間のある時にカフェを目的地としてぶらっと訪れるのも楽しいかもしれません。
コメント