里山や田園風景を中心とする豊かな環境を有する兵庫県の猪名川町ですが、北阪神・北摂地区のベッドタウンとなっており人口増加率は、全国でもトップクラスに位置しています。そんな猪名川町のドライブ&ツーリングスポットを紹介していきます。
くろまんぷ
兵庫県猪名川町の木津から林田に通じる津坂トンネル(別名くろまんぷ)です。
明治14年(1881)に柏原村の福井伊之助が工事費1,175円で請け負ったものの、固い岩盤、所々にある軟岩の崩壊などで作業が難航し予定通りに工事が進みませんでした。そのため工費が不足に陥りましたが、柏原村の人達が私財を投げ打って完成させたものです。 石製トンネルで現在も使用されているものの中では、日本最古とも言われています。
別称「くろまんぷ」の元となった岩肌は、コンクリートで固められ見ることはできません。漢字では、「暗まんぷ」とも表しますが、鉱山などで坑道を意味する間歩(まぶ)から転化してトンネルのことを「まんぷ」と呼ぶようになったようです。
県道12号線から来ると道が狭くカーブがきついところもありますので、大きな車では回り切れず切り返しが必要かもしれません。ご注意ください。
大野アルプスランド(猪名川天文台アストロピア)
阪神地域で最も標高の高い大野山の山頂付近にある猪名川天文台明日トリピアはには、口径50cmの天体望遠鏡が設置されており、都市近郊に位置しているにもかかわらず、周囲に光源がないことから、天体観測に適した場所にあるので、澄みきった空気と夜空の神秘を楽しめます。
さらにデジタルプラネタリウムでは、昼間や雨天曇天時でも、室内で美しい星空を楽しめ、今夜の星空解説や惑星などの天体の様子などの自動上映を行っています。
平成31年4月1日より、全国で136か所が選定されている「恋人の聖地」に、阪神地域で初めて選定され、「プロポーズにふさわしいロマンチックなスポット」として、6月11日に「恋人の聖地」銘板の授与を受けています。見晴らしの良いところですので、カップルでも家族連れでも楽しめるところです。以前は、無料のキャンプ場もありましたが、ゴミの放置や路上駐車、芝生への直火、電柵の破壊等、迷惑行為が後を絶たず、そのマナーの悪さから、平成31年1月から、一時利用停止となっています。また再開されることを願います。
天文台へ向かう道は、細く見通しが悪くですが上り下りで、それぞれ一方通行になっていますので対向車を気にせず走ることが出来ます。
冬季は、完全に凍結しますので、登られる方は万全の準備をして訪れてくださいね。
猪名川変電所
発電所で作られた電気は、50万ボルトや27万5000ボルトなどの高い電圧にして消費地の近くまで送られ、「変電所」で電圧を調整して家庭や工場などに届けられています。また、落雷や暴風等により送電線に事故が発生したときには、「変電所」や「開閉所」で電気の流れを切り替えて、設備への損傷を最小限にとどめる役目をしていま変遷所です。
県道12号線(猪名川渓谷ライン)の方から、杉生交差点を右折し県道602号線を少し走ると変電所が現れますが、道路沿いからはフェンス越しで見えにくいので、猪名川不動尊に続く道を進み変電所の裏側に回ると変電所施設を見渡すことが出来ます。静かな所なので高圧電線から発せられる「ジー」っという音がよく聞こえます。
屏風岩
猪名川が山を削って形成した、屏風岩は高さ30m、幅100mに及ぶ、断崖が屏風のように連なる景勝地で周辺は緑に恵まれ、春は桜、夏は蛍、秋は紅葉、冬は雪と四季折々の風情を楽しむことができます。夜間にライトアップされる事もあるようです。周辺に駐車場はありません。
龍化隧道
龍化隧道は、一庫ダムの上流側にある旧国道173号線で使用されていたトンネルです。一庫ダムの平常満水位(145m)よりも低いところにあるので渇水期の6月〜9月のみ姿を現すのです。龍化隧道までは、遊歩道も整備されているので渇水期には歩いて中を見学することもできます。
一庫ダムからダム湖沿いを走っても行けますが、国道173号線を進み新円山トンネルの手前で右折して行く方が早いです。
猪名川町立ふるさと館
猪名川町内で実際に使用されていた生活道具類や、町の文化財、特産品など200点あまりを展示しており町の歴史や産業、人々の暮らしぶりを紹介する民俗資料館です。資料館の裏側にも、昔の道具が置いてあるので、そちらもチェックしてくださいね。入場料は無料となっています。
ふるさと館の裏には猪名川が流れ、芝生公園には野外ステージや水遊びのできる人工水路などが設けられており、猪名川の自然に親しむことができます。
以前は、穴場スポットだったのですが、すっかり有名になってしまい夏場は、川遊びに来る家族連れで賑わっています。
多田銀銅山跡とその周辺
猪名川町の文化財としては、初の国史跡となった「多田銀銅山遺跡」が平成27年10月7日に国史跡に指定されています。また、鉱山遺跡で国史跡となるのは、兵庫県下では初、全国では大小含めて千カ所以上ある鉱山の中で8番目の指定となっています。
多田銀銅山は、明治28年に、島根県の鉱業家で「鉱山王」と呼ばれた堀藤十郎が採掘権を得て銀・銅・鉛の生産をはじめました。明治39年、生産規模を拡大するために、選鉱機械や洋式製錬所など当時の最新設備を設置する等の近代化を図りましたが、明治40年秋にはじまった銀・銅の価格暴落によって、機械選鉱場は使用されることなく休業に至り、実際に稼働していたかは不明でしたが、後の採掘で溶鉱炉に使われた焼けた耐火レンガや、製錬の初期過程で出る非金属の「かす」であるカラミも出土したことで短期間にしろ稼動していたことがわかりました。
周辺には、高札場跡・代官所の門(広芝邸)・平炉跡・神宮寺・金山彦神社・青木間歩などがあります。
金山彦神社
金山彦神社は、各地の鉱山に建立されている鉱山の神様とされています。猪名川町の金山彦神社は、大同2年(807)頃に建立されたと伝えられています。
青木間歩
多田銀銅山の中で唯一坑道内を公開している坑口で、入口左の階段の上にある江戸時代に採掘されたと思われる手彫りの露頭掘りと昭和29~48年までの機械で掘削した坑道を見学することが出来ます。青木間歩の「青木」の由来は薬用として使われていたアオキが繁茂していたからと言われています。
夏場でも坑道の中は、15度前後でひんやりしているので避暑にいいかもしれませんね。
2019年12月2日から当面の間、坑道内の安全確認を行うため、青木間歩の坑道入口の左手階段上にある露頭掘(ろとうぼり)の跡は見学することができますが、坑道の中は立入禁止です。
ひとこと
猪名川町は、兵庫県と大阪府の県境にあり、近畿地方のほぼ中央に位置していることからアクセスが良く、猪名川町だけでなく周辺のドライブ&ツーリングスポットと組み合わせて、回ったりするのにちょうど良い位置にある町です。ぜひ一度訪れてみて下さい。
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