画質と携帯性に優れ、大型センサーの部類に属する1インチセンサーを採用するコンパクトカメラでは、画質に納得がいかず一眼レフやミラーレスカメラを使用している方も多いと思いますが、やはりネックとなるのが、その重さと携帯性ですよね。そんな方にお勧めなのが、一眼レフやミラーレスと同じ大きさのセンサーを使用しているコンパクトカメラが便利です。レンズ一体型なのでコンパクトでポケットにもバッグに入れても邪魔にならず、気軽に持ち歩くことが出来ます。本記事では1インチよりも大型のセンサー搭載したコンデジを紹介します。
大型センサーの種類
高級コンデジと呼ばれる機種が採用しているイメージセンサーの中では一番小さい1インチセンサー、パナソニックが採用しているフォーサーズサイズ、その他のメーカーが採用しているAPS-Cサイズがありますが、センサーの大きさと画質は比例しています。
高級コンデジの魅力
近年、スマホの普及により、特にコンパクトデジタルカメラ市場は縮小しており、以前は各メーカーから数多くの機種が販売されていましたが、現在では多くの機種が姿を消しています。その中でも人気を維持しているのが「高級コンデジ」と呼ばれる機種です。それらは大型イメージセンサーを搭載しており画質と携帯性に優れ、ポケットからさっと出して写真が撮れることから人気を博しています。
高級コンデジ5選
リコー(RICOH) GRⅢ
有効画素約2424万画素のAPS-Cセンサーを搭載しているにもかかわらず、約257gと軽量コンパクトなのが特徴。電源オンから約0.8秒の高速起動と像面位相差検出およびコントラスト検出のハイブリッド方式を採用し、スナップシューターに求められる速写性がさらに向上しているので、ポケットからさっと取り出し撮影することが出来ます。またシャッター速度換算で4段分の補正効果をもつ手振れ補正により角度ぶれと回転ぶれ、3軸方向の補正に対応しています。
焦点距離は35mm判換算28mm相当、開放F2.8の広角単焦点レンズは、高いシャープネスを実現しており、絞り開放から画像全体でヌケがよく、キレのある描写が得られスナップカメラマンから絶大な人気を得ています。
オプションとして、21㎜相当になるワイドコンバージョンレンズ [GW-4]や光学式の外部ファインダー [GV-1]が用意されています。
富士フィルム(FUJIFILM) XF10
有効画素約2424万画素のAPS-Cセンサーを搭載しており、スナップ撮影に最適とされて昔から愛用されてきた画角である35mm判換算で約28mm相当、開放F2.8の広角単焦点レンズが採用されています。
イメージセンサーは、フジの代名詞である「X-Trans CMOS」ではなく、通常のベイヤーセンサーが採用されていますが、色再現性と階調表現をフィルム取り替える感覚で設定できる機能「フィルムシミュレーション」には対応しているので、フジの色が好みの方にはお勧めです。またボディサイズ、重量はGRⅢよりは少し大きいものの販売価格が安いのも魅力です。
富士フィルム(FUJIFILM) X100V
2011年3月の登場から根強い人気があり、5世代目となるX100Vが2020年 2月27日発売されました。
ミラーレスのX-Pro3やX-T3等に搭載されている最新世代のX-TransCMOS 4と画像処理エンジンX-Processor 4を組み合わせ、有効画素数が約2,610画素となったセンサー側の解像性能向上に併せてレンズも一新されていますし、弱点だった動体の追従もかなり改善したようです。
外観では、どちらかと言うと、”通好み”のカメラなので賛否両論あるかもしれませんが、固定式だった背面モニターがチルト式隣使い勝手が向上しています。
CANON PowerShot G1XMarkⅢ
Gシリーズの最高峰のカメラとして開発されたモデルで、イメージセンサーが前モデルPowerShot G1 X Mark IIの1.5型から有効画素数2420万画素のAPS-Cサイズへと大型化し、ファインダーが内蔵されたにもかかわらず、前モデルよりも小型・軽量化されています。また最大の特徴はAPS-Cサイズのセンサー搭載機で35mm判換算「24~72mm」の3倍ズームレンズが採用されていますし、EOS M5と同等のドット数の電子ビューファインダーを採用しています。そのほかにもバリアングル液晶、4段分の補正効果のある手振れ補正、防塵防滴とありとあらゆる機能をこの小さなボディに詰め込んでいます。
パナソニック(Panasonic)LX100M2
APS-Cよりも少し小さいマイクロフォーサーズサイズのイメージセンサーが採用されています。有効画素数は1700万画素、レンズはLEICAブランドの焦点距離35mm換算 24-70mm f1.7-2.8と明るい レンズを採用しているのが特徴です。また同社が得意とする4K動画や、それを利用して、秒間30コマ連写を可能にする「4K PHOTO」機能も備えています。
各モデルの仕様比較
各モデルの仕様を比較してみました。
モデル名 | RICHO GRⅢ | FUJIFILM XF10 | FUJIFILM X100V | CANON PowerShot G1XM3 | Panasonic LX100M2 |
発売時期 | 2019年 3月15日 | 2018年 8月23日 | 2020年 2月27日 | 2017年11月30日 | 2018年10月18日 |
撮影素子 | APS-CサイズCMOS | APS-Cサイズ正方画素CMOS | APS-CサイズX-Trans CMOS IIIセンサ | APS-CサイズCMOS | 4/3型(フォーサーズ)MOS |
有効画素数 | 2424万画素 | 2424万画素 | 約2,610画素 | 2420万画素 | 1700万画素 |
ローパスレス | 〇 | ー | 〇 | ー | 〇 |
焦点距離 | 28mm | 28mm | 23mm | 24~72mm | 24~75mm |
絞り値 | F2.8 | F2.8 | F2.0 | F2.8~F5.6 | F1.7~F2.8 |
AF方式 | 像面位相差検出およびコントラスト検出によるハイブリッド方式 | インテリジェントハイブリッドAF | インテリジェントハイブリッドAF | デュアルピクセルCMOS AF | 映像検出によるTTL方式 |
シャッタースピード | 30~1/4000 秒 | 4~1/16000 秒 | 4秒~1/32000秒 | 1~1/2000 秒 | 60~1/16000 |
常用ISO感度 | ISO100~102400 | ISO200~12800 | ISO200~12800 | ISO100~25600 | ISO200~25600 |
連続撮影速度 | 4.2コマ/秒 | 6コマ/秒 | 11コマ/秒 | 9コマ/秒 | 約11コマ/秒 |
撮影枚数 | 200枚 | 330枚 | 350枚 | 220枚 | 340枚 |
手ブレ補正 | センサーシフト方式 | ー | ー | 光学式 | 光学式 |
動画撮影 | FHD/60fps | 4K/15fps | 4K/29.97fps | FHD/59.94fps | 4K/30fps |
画面サイズ/ドット数 | 3インチ/ 103.7万ドット | 3インチ/ 104万ドット | 3インチ/ 162万ドット | 3インチ/ 104万ドット | 3インチ/ 124万ドット |
ファインダー | ー | ー | ハイブリッドビューファインダー/0.5型有機ELファインダー (369万ドット) | 電子ビューファインダー(236万ドット) | 0.38型フィールドシーケンシャル方式(276万ドット) |
可動モニター | ー | ー | チルト | バリアングル | ⇦ |
Wi-Fi | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
NFC | ー | ー | ー | 〇 | ー |
Bluetooth | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 |
USB充電 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
インターフェース | USB Type-C | USB2.0(High-Speed)/マイクロUSB端子、HDMIマイクロ端子 | USB Type-C、HDMIマイクロ端子 | マイクロUSB、HDMIマイクロ端子 | microUSB2.0、HDMIマイクロ端子 |
サイズ | 109.4×61.9×33.2mm | 112.5×64.4×41 mm | 128×74.8×53.3 mm | 115×77.9×51.4 mm | 115×66.2×64.2 mm |
質量 | 約257g | 約278g | 約478g | 約399g | 約392g |
選び方
1インチ以上のイメージセンサー搭載機種を紹介いたしましたが、選び方をざっくり説明すると
- 「画質を優先」⇒「RICHO GRⅢ」」・「FUJIFILM XF10」・「FUJIFILM X100V」
- 「速射性を重視」⇒」「RICHO GRⅢ」
- 「価格の安いモデル」⇒「FUJIFILM XF10」
- 「フィルム色が好き」⇒「FUJIFILM XF10」・「FUJIFILM X100V」
- 「ファインダー付きモデル」⇒「FUJIFILM X100V」・「CANON PowerShot G1XM3」・「Panasonic LX100M2」
- 「光学式のファインダーが好き」⇒「FUJIFILM X100V」
- 「ズーム機能が欲しい」⇒「CANON PowerShot G1XM3」・「Panasonic LX100M2」
- 「動画も綺麗に撮りたい」⇒「FUJIFILM XF10」・「FUJIFILM X100V」・「Panasonic LX100M2」
- 「暗い所での撮影」⇒「RICHO GRⅢ」・「CANON PowerShot G1XM3」・「Panasonic LX100M2」
- 「可動モニター」⇒「FUJIFILM X100V」・「CANON PowerShot G1XM3」
- 「もっとズームの倍率が欲しい」⇒1インチセンサーのモデル
- 「もっと小型・軽量がいい」⇒1インチセンサーのモデル
最後に
コンデジにAPS-Cサイズのセンサーを搭載したモデル、一台で済ますのか、それとも一眼レフやミラーレスのサブとしての使用もアリだと思います。ご自分に合った使い方を見つけてください。なお、今回紹介したものの他にフルサイズのイメージセンサーを採用している機種もありますが、あまりにも”高級”すぎる「コンデジ」なので紹介しませんでしたが、APS-Cの画質では物足りない方は、そちらを調べてみて下さいね。
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