国産メーカー・アイドリングストップ車の電流積算値リセット

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自動車整備
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アイドリングストップ機能を持つ車両では交換するだけではアイドリングストップ機能が働かない、もしくは、いずれ働かなってしまうので、エンジンコンピューター内の電流積算値をリセットする必要がありますが、メーカーごとにその方法が異なっていますので、その方法と注意点をまとめました。

なぜ電流積算値リセット作業は必要なのか

アイドリングストップ車は、ECUがバッテリーマイナス側に取り付けられた電流センサーにより、電流量や内部抵抗値を測定しています。その測定した値の平均値が一定のしきい値を超えた場合は、バッテリーが劣化していると判定しアイドリングストップ制御を停止するようにプログラムされています。

すでに、アイドリングストップ制御が停止した状態の車両に新品のバッテリーを付けただけでは、アイドリングストップ機能は回復せず、電流積算リセット作業をして初めて回復します。

現在はアイドリングストップ制御が行われている車両では、電流値積算リセットを行わなかったとしても当面の間は問題なく制御されるでしょうが、バッテリー電流の積算のしきい値を超えた時点でアイドリングストップ制御が停止することになりますので、忘れずに作業することが未然にトラブルにを防ぐことになります。

電流積算値リセットが必要

バッテリー交換後に電流積算値(内部抵抗値)リセットが必要なメーカーの車種は、基本的に診断機を用いてリセット作業をする必要があります。

  • トヨタ/レクサス
  • 日産
  • ホンダ(内部抵抗値)
  • マツダ
  • ミツビシ(軽自動車以外の乗用車)

電流積算値リセットが不要

バッテリー交換作業後に電流積算値リセットが不要なメーカー。

  • スバル
  • ミツビシ(軽自動車)
  • ダイハツ(エコアイドルOFFランプ点滅時は、リセット作業が必要)
  • スズキ 

リセット作業 一覧

国産車メーカーのリセット作業について表にまとめると、以下のようになります。

メーカーリセット作業バックアップ故障診断機バッテリーの劣化判定
トヨタ必要必要必要バッテリー電流の積算のしきい値
レクサス必要必要必要バッテリー電流の積算のしきい値
日産必要必要必要バッテリー電流の積算のしきい値
ホンダ必要必要不要バッテリーの内部抵抗値のしきい値
マツダ必要必要必要バッテリー電流の積算のしきい値
スバル不要必要不要バッテリー電圧
三菱
(軽自動車)
不要不要バッテリー電流の積算のしきい値
三菱
(乗用車)
必要必要必要スターターカウンターで判断
ダイハツ不要必要不要バッテリー電圧
スズキ不要不要バッテリー電流の積算のしきい値
OEM車に関しては、販売元のメーカーに準ずる

手動操作でリセット作業(ホンダ)

電流積算値(内部抵抗値)のリセット作業が必要とするメーカーで、唯一手動操作でリセット作業ができるメーカーがホンダです。

操作方法は、こちらの記事をご覧ください。

スターターカウンターを消去(三菱 軽自動車以外)

軽自動車以外の三菱車は、スターターモーターの使用回数を基準にバッテリーの劣化を判定していますので、電流積算値や内部抵抗値ではなく「スターターカウンター」をリセットする必要があります。

バックアップを確保してはダメ!(スズキ・三菱の軽自動車)

現代の車両は高機能化と利便性を目的に様々な機能が装備されており、それぞれの設定値を記憶しているため、バックアップ電源を確保して作業するのは、今や当たり前と言えます。しかし、バッテリー交換後の電流積算値や内部抵抗値は、不要な記憶ですので故障診断器や手動操作で消去する必要が出てくるのです。

しかし、スズキと三菱の軽自動車については、電流積算値のリセット作業がが不要なのではなく、バッテリー交換時にバッテリーマイナス端子を外すことで、ECU内の記憶ごと消去しているのです。そのためバックアップを確保しながらバッテリー交換をしてしまうと電流積算値のリセットが行われないのです。

よって、ナビゲーションのメモリーやパワーウインドなどを再設定する必要が出てきますが、バックアップ電源を確保しての作業は不可なのです。思い切ってバッテリー端子を外してしまいましょう。

リセット不要(ダイハツ・スバル)

バッテリーの劣化度合を多くのメーカーが電流積算値のしきい値で判断しているのに対し、ダイハツとスバルはバッテリー電圧により判定しています。これは、主に始動時のバッテリー電圧を主軸にバッテリーの劣化を判定しているので、リセットと言う概念ではなく、電圧が回復すればアイドリングストップ制御も回復するということのようです。

ランプ点滅時は、リセット作業が必要(ダイハツ)

エコアイドルOFFランプ点滅してからのバッテリー交換をする際は、リセット作業が必要となります。

車内にあるヒューズブロック内のECU-Bヒューズ(10A)とエンジンルーム内のリレーブロック内にあるBACK UPヒューズ(15A)を1分以上抜き取り後、取り付けることでリセットする事が出来ます。ただし、M700系・LA250系などの小型車はBACK UPヒューズのみ抜き取りで良いようです。

この作業もヒューズを抜くことで、ECUのメモリーを消去しているので、バックアップ電源を確保してはいけません。そのため、スズキや三菱車と同じ様にナビゲーションのメモリーやパワーウインドなどを再設定すなければなりません。

また、ダイハツやトヨタ車で注意したいのが純正のナビゲーションです。ナビのバックアップ電源が切れるとセキュリティーロックが掛かってしまいますので、盗難防止解除のパスワードを、あらかじめ確認しておきましょう。

持ち主がパスワードを忘れていたり、中古車での購入なのでわからないといった場合は、ディーラーでセキュリティーロックを解除してもらうことになります。

最後に

国産車の各メーカーのアイドリングストップ車用のバッテリー交換に伴い、行わなければならない作業として電流積算値(内部抵抗値)にの必要性とメーカーごとの判定方法、作業が必要か必要でないかと作業にまつわる注意点を説明しましたが、今後、バッテリー劣化の判定方法やリセット方法が変更になる可能性もありますので、新型車のバッテリー交換の際には都度、作業方法の確認をした方が良いかもしれません。高度化された車両はそれぞれの機能を初期化するだけでも大変ですので、注意して作業するようにしましょう。

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