「リコール」ダイハツ車 フューエルポンプ不具合の内容と交換手順

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自動車整備
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令和3年6月24日、ダイハツの軽自動車のフューエルポンプのリコールが発出され、対象車種・台数共に多く交換する機会も増えるかと思いますので、リコールの内容と交換作業の手順を紹介します。

不具合の内容

燃料ポンプ内のインペラと呼ばれる樹脂製羽根車が成形条件が不適切なため、樹脂密度が低くなって、燃料により変形することにより、インペラがポンプケースと接触して燃料ポンプが燃料を送ることができなくなり、最悪の場合、ガス欠のような症状により走行中エンストする可能性があるようです。

改善の内容

全車両、燃料ポンプを対策品と交換。

最近のフューエルポンプユニットは、樹脂製でセンダゲージやフューエルポンプが一体になったものが多く、フューエルポンプのみを変えたいと思っても、フューエルポンプユニットAssyでしか部品が発注できない車種が増えていますが、今回のリコールでは燃料ポンプのみの交換で、作業に伴うパッキンが支給されます。

リコール対象車

リコール対象車は約1年10カ月(17年7月3日~19年5月8日)の間に製造された車両。

ダイハツ

  • ミラ
  • ミラ ココア
  • ムーヴ
  • キャスト
  • ミラ イース
  • コペン
  • ミラ トコット
  • タント
  • ウェイク
  • ハイゼット キャディー
  • ムーヴ キャンバス
  • ハイゼット トラック

この他にも各社にOEM供給しているものを含めると、21車種 計95万6221台に及んでいます。

トヨタ自動車

  • ピクシス ジョイ(キャスト)
  • ピクシス エポック(ミラ イース)
  • ピクシス メガ(ウェイク)
  • ピクシス トラック(ハイゼット トラック)

スバル

  • プレオ(ミラ)
  • ステラ(ムーヴ)
  • プレオ プラス(ミラ イース)
  • シフォン(タント)
  • サンバートラック(ハイゼット トラック)

改善箇所説明図

フューエルポンプ交換作業(ハイゼットトラック)

燃料タンクには、樹脂製のものと鉄製のタンクが採用されているものとがあり、それぞれ作業手順が違いますが、燃料ポンプ自体は共通のようです。公開紹介するのは一般的な鉄タンクを使っているハイゼットトラックのフューエルポンプの交換を紹介します。

燃料ポンプを交換するにはフューエルタンクを下ろす必要がありますので、ガソリンが満タン近く入っている場合は、燃料を抜く作業が必要です。

フューエルタンクを外すには、スペアタイヤとキャリアを外します。スペアタイヤキャリアはM8ボルト2本外すと取り外せます。

次に給油口の下についているカバーをピンを2つ外し固定しているM8ボルトを2本取り外しと、ホースを外しておきます。

下側に回りフューエルパイプの切り離し、ホース、燃料ポンプユニットのコネクタを外す。

画像は下側からですが、フューエルパイプのジョイント上側の爪を内側に押しながら押し下げるとオレンジ色の部分が飛び出しますので、パイプを引き抜くことができます。

タンクに繋がるものがすべて取り外せたら、フューエルタンクを固定している12mmのボルト4本を取り外してタンクを下ろします。

この時に気を付けたいのは、最初に外しておいた給油口に繋がるホースがフレームとボディの間の狭い部分を通ている為、タンク側に引き出しておかないと引っかかりますのでご注意ください。

タンクが下ろせたら、タンク上部のフューエルホース・ジョイント、ホース、コネクタを取り外します。フューエルホースジョイントは、爪を2か所抑えながら引っ張ると抜けます。

フューエルポンプユニットを固定している8mmのボルトをすべて取り外します。そうするとユニットごと外れてきますが、センダゲージのフロートやフィルターが付いているのですんなり抜けてきません。ユニット自体が樹脂製ですしフロートを曲げてしまうと燃料計の表示が狂う可能性もありますので、負担を掛けないように慎重に作業しましょう。

本来は燃料の蒸発を抑止するためにゴム製の蓋を被せておくようですが、無いのでガムテープで塞いでいます。取り外した時に粘着面が気化したガソリンによってネトネトになっていました。取り付け面には問題なさそうでしたが念のためポンプユニットを取り付ける前にパーツクリーナーで拭いてから取り付けています。

それでは、フューエルポンプの交換していきます。

下に写っている箱は、樹脂タンク用のガスケットなので今回は使いません。

ポンプのコネクターを外します。

下側についている爪を起こして、フューエルフィルターを取り外します。樹脂製の為広げ過ぎると変形する恐れがありますので、慎重に作業してください。

ポンプは、上側から押すと抜けますが少し力を入れないと抜けません。そのため飛び出してくるのでポンプを下から受けながら取り外す方が良いでしょう。

取り外したポンプの上側パッキンの所在も確認しておきましょう。

追記:別車両では上側のパッキン相手側に残ってしまいました。本来は細いドライバーにテープを巻いて傷をつけないように作業するようですが、手元にアイスキャンデーの棒があったので嵌めてみた所内径にピッタリで差し込んだだけで抜き取る事が出来ました。

組付けはパッキンとスペーサーを交換し逆の手順で組んでいけば大丈夫ですが、フィルター側のパッキンには向きがありポンプ側が長く、フィルター側が短くなっていますので注意してください。また組付けの際、パッキンにはエンジンオイルを塗布しておきます。

ユニットをタンクに組付け、ホース、コネクタ、フューエルホースを取り付けたらタンクを車両に組んで終了です。

スズキ車のリコールでは、リコール済みであることを示すコーションプレートに貼る丸いステッカーが付属しますが、ダイハツでは付いていません。代わりに黄色のペイントを施すようになっています。そのため黄色のタッチアップがあればそれで代用できますが、無いようであれば黄色のペイントやペイントマーカーなどをリコール作業を行う前に用意しておきましょう。

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