以前は多く使われていたタイミングベルトですが、最近ではチェーンを用いた車両が増え、めっきり交換する機会が減っていますが、まだまだミニキャブの様にタイミングベルトを使用している車両が現存しているので交換手順を紹介したいと思います。
現行のミニキャブは、スズキエブリィのOEMですので、タイミングチェーン方式を採用しており、定期交換の必要性は無くなっていますが、OEM前の3G83エンジン搭載車はタイミングベルトが使われています。
パワステベルトはロックナットを緩めなくても、アジャスターを緩めることが出来ますので先に緩めておくと作業がスムーズです。
下側からでも緩めることは可能ですが、アース線が共締めされたタイミングベルトカバーのボルトを1本を先に外します。
段取り的には先に、ファンベルトを遊ばせておく方が良いのですが、ウォーターポンプのプーリーボルトを緩めるに際にベルトを張っている方が作業しやすいです。ただ軽自動車の場合、それほど締まっている訳ではないので、今回は先に緩めましたが、不安な場合はプーリーボルトを緩めてからベルトを緩める方が良いと思います。先に緩めた場合は、緩めたベルトをプーリーに押さえつけ滑り止めにすればボルトを緩めることができます。
ここからは、車両下部からの作業となります。各ベルトを外しますが、クーラーベルトにストレッチベルトが使われておりアジャスターはありません。
ベルトを交換する際は切断して取り外し、付属の治具で取り付けますが、今回はベルトは交換は行わにので、ストレッチベルトリムーバーを使いました。ストレッチベルトを採用している車両が増えているので、用意しておくと作業がスムーズです。無理すればベルトを捩りながらは外す事も可能ですが、傷を入れてしまうリスクがあるので止めておきましょう。
取り付けには、インストーラーを使います。
他のインストーラーを使ったことがありますが、ストレートのインストーラーは非常に使いやすく、価格も安いのでおススメです。
ベルトが外れたら、M8ボルトを3本を緩めパワステのベーンポンプを取り外します。見えている2本の他に裏に1本ボルトがあります。
クランクプーリーを取り外して、タイミングベルトカバーを外します。クランクプーリーは工具を掛けるボルト穴が開いていますので、専用工具を使っても良いですし、インパクトにユニバーサルジョイントとの組み合わせで緩めることができました。
今回は、インパクトで外れたので使いませんでしたが、使えない場合はクランクプーリーをホルダーで固定してクランクのボルトを緩める必要があります。
こちらは、ストレートの商品にクランクプーリーを抜き出すプーラーがセットになったもの。今回はすんなり抜けたので、こちらも使用していませんが、錆付いていたりする場合は必要になりますので、購入するならこちらの方がおススメです。
ホルダーは持ってるという方には、こんなプーラーもありますね。このタイプはホルダー固定用のボルト穴のないクランクプーリーにも使えるので一つあれば便利かもしれませんね。
カバーが外れました。クランク部にセンサーとセレーションが取り付けられているので、切り欠きが空いた場所でセレーションを取り外さないと、センサーを破損する可能性がありますのでご注意を。
ベルトを交換する際に邪魔なので、センサーも取り外しておきます。
上死点位置の合いマークを合わせます。正面から見ることができないので合わせづらいので正規の位置をミラーを使い正確に合わせてマークした上に、自分でわかりやすい位置にもマークを打っています。
3G83エンジンは、スズキやダイハツ車のようにカムとクランクの合わせマークだけではなく、バランサーシャフトを備えているので、クランクとカムシャフト+バランサーシャフトの3カ所を合わせる必要があります。
画像には写っていませんが、バランサーシャフトとクランクの合わせマークは赤丸部分にクランクとバランサーの合わせマーク、黄丸部分がカムシャフトの合わせマーク位置です。
カムシャフト側を上から見るとこの位置。
ロックボルトを緩めてタイミングベルトを取り外します。
テンショナーも交換するので取り外しました。取り付けはテンショナーの始点をしっかり嵌めてスプリングは、画像で示した位置に掛けます。ウォーターポンプからの水漏れがないかもチェックしておきましょう。この車両は次の車検まで持てばよいそうなので交換しません。
特に難しい事はありませんが、しっかりと確認しておきましょう。
タイミングベルトの取付。
画像ではセンサーを先に付けてしまっていますが、上死点を合わせた状態ではセレーションが嵌りません。センサーとセレーションを一緒に取り付ける必要があります。
カバーを取付けました。あとは外した逆に組めばOKです。
最後にタイミングカバーのアース線を忘れないように取付て完了です。
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