この日は、朝からしとしと雨が降っていたが、昼前にピタッと雨が止んだ。こんな日は水量が増え迫力を増してたダムや滝に限る。そこで向かったのが国の登録有形文化財 になっている「千刈りダム」へ向かう事にした。
前回、「武庫川の水面近くを走る県道327号の旧道」で、川下側ダムを経由して武庫川沿いを走ってきたのは、「千刈ダム」へ向かう途中だったのだが、旧道で道場駅へ向かう橋の下を通過してしまっているので、生野橋から県道を少し戻る事になる。
橋を渡った先のJRの線路を超え、武庫川沿いを進むとと千刈ダムの入口に到着する。画像は、県道327号の旧道を対岸から見た所。ここでJR福知山線の橋梁と今渡ってきた橋の下をくぐって先に進んでいた。
道なりに進んで行くと「千刈貯水場」に突き当たる。
この中に綺麗に整備された「千刈広場」という公園があり、「新・こうべ花の名所50選」に選ばれているが、水源を守るために通常は開放されておらず、「千刈さくら祭り」が行われる4月の第1週の土曜日から約1週間程度の間のみ解放されるようなので、機会があれば訪れてみたいところだ。
武庫川沿いとなる右手には広い駐車場が用意されている。この左奥から「千刈貯水場」の敷地に沿ってフェンス沿いを歩いてダムの方へ向かう事になる。
初めて訪問した際、「ダムはどこ?」と思いつつ半信半疑で武庫川沿いを歩いて行ったので、このような案内版は必要だと思う。
駐車場の奥にある遊歩道入口。
施設のフェンスに沿って歩いて行く。多少、石がゴツゴツしているが小さなお子さんでも歩ける程度。
遊歩道の途中に左に入れるところがある。
ここは、市民トイレ。千刈広場には立ち入れないがトイレだけは使える様になっている。
この日は水量が多く水が流れ落ちる音と共に、ダムが見えてきた。
千刈ダムの手前に架かる「千刈橋」。大正8年5月竣工。
この橋の向こうはハイキング道に繋がっているようだ。
千刈ダムは、大正8年に完成した重力式コンクリートダムの表面に石張りが施された大変美しいダムで堤頂に並ぶスライドゲートは現存するものとしては最古だそう。文化庁の登録有形文化財・経済産業省の近代産業遺産に登録されており、それらを示すプレートが千刈橋に取り付けられている。
千刈り橋の対岸側は、脇からの流れが強く、飛び散った水滴がカメラのレンズに付着する。
この部分もダム湖から流れ出しているようだが、これも放水路なのだろうか?
画像ではわかりにくいが、放水口も石造りになっている。
ダムに近づくと階段が現れるが、その前にフェンスと階段の間を突き当りまで進む。
ここからは、真下から見上げる形となるので迫力満点だ。
階段を上りかけてすぐに、スピーカーが取り付けられたポールがありその下にボタンがあったので押してみた。
おそらく解説が流れるようだが、この日はダムからの水流にかき消されて聞き取れなかった。
階段の途中にあるハイキング道の入口。
どんどん登って行くと堤頂部に到着。
ここからはスライドゲートが目線で見る事が出来る。
「天助人」と書かれているが、石碑に英語と日本語で書かれたプレートが張られている。
堤頂部はゲートで封鎖されている為、立ち入る事が出来ない。
千刈橋まで戻り、脇にある階段を降りてみたところ石造りのトンネルがあった。
何に使用されていたものかはわからないが、入口は封鎖されており中をうかがう事は出来ない。この日ここで出会ったのは、2人だけ。いつ来ても人は少ないのでゆっくり過ごすことができるお気に入りの場所だ。一通り見学し終えたので、来た道を戻ることにする。
以前の画像だが水量が少ない時はこのような状態だ。千刈ダムは、水が流れ出していない時でも石造りの立派なダムで、見る価値は十分あるが、放水されている時の美しさは格別である。また水の流れにより起きる風により舞い散る飛沫や迫力のある水の流れる音を体感するため水量の多い時を狙って訪れていただきたい。
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