[燃料添加剤]フューエルワン&プレミアムパワーの同時使用は?

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自働車ディーラーでも、自社のケミカル商品ではなくワコーズの「フューエルワン」と「プレミアムパワー」の同時使用で「相乗効果」を謳い、推奨しているところもありますが、本当に相乗効果があるのでしょうか?そんな疑問を解決するために、「プレミアムパワー」とはどんなものなのかを解説していきいます。

フューエルワンとプレミアムパワー

お店でも並んで販売されているので、この2つの商品は、よく比較されますが目的が全く違います。フューエルワンは、燃料系統の洗浄を目的とし、プレミアムパワーは、燃焼効率の促進を目的としています。

ワコーズのデジタルカタログでは、次のように記載があります。

F160省燃費系燃料添加剤

燃焼効率アップでパワー感向上とともに排出ガスをクリーン化。ディーゼル黒煙も大幅に低減します。さらにエンジン内部のフリクションを低減し省燃費に貢献します。プレミアムパワーは、従来の燃料添加剤の概念を覆し、燃焼から潤滑まで二段構えに効果を発揮する性能向上剤です。添加量:燃料30~60リットルに1本を使用。アイドリング不調やカブリ気味になることがありますので、燃料が30リットル未満の場合は、1%を超えないように添加してください。 (特許第4612655号)容量:250ml

WAKO’S デジタルカタログ

言い換えれば、フューエルワンはデポジットの堆積により落ちた性能の回復するのに対して、プレミアムパワーは、更なる性能を引き出すんですね。

プレミアムパワー開発のの目的

ガソリンや軽油中の硫黄分は自動車排出ガス触媒の浄化性能に大きな影響を及ぼすので、石油業界は規制を 3 年前倒しして,2005 年から硫黄分 10 質量 ppm 以下のガソリンの供給を開始しています。

硫黄成分の軽減は、自動車排ガスのクリーン化と燃費の向上につながりますし、ガソリン車やディーゼル車の排ガス浄化装置の性能を充分に発揮させることができるため、さらに排ガス中の有害物質を削減することが出来るのです。

反面、燃料の低硫黄化は燃料自体の潤滑性を低下させてしまうため、燃料噴射ノズル(インジェクター)等の燃料供給システムの摩耗を促進させてしまうのが実情です。そのためハイオクガソリンには、低濃度の潤滑向上剤が配合されており、これによりシリンダーやピストンの摩擦が低減され燃費の向上もみこめます。しかし低濃度の潤滑向上剤では、燃料供給システムの摩耗を防ぐ、十分な効果を得ることが出来ません。高濃度の潤滑向上剤は、燃焼室などにデポジットの増大を招いてしまいます。

また潤滑向上剤と清浄剤を同時に使用する方法もありますが、配合比や配合量によっては、どちらもがデポジットの元凶となってしまします。また、燃焼状態を改善するための添加剤の種類によっては、排出ガス後の処理装置の機能阻害や窒素酸化物の増大といった問題がありました。そこで、燃料の潤滑性を向上と燃料の燃焼性を改善、安定した効率の良い運転を可能にするために「プレミアムパワー」は開発されました。

プレミアムパワーの成分

脂肪酸モノエステル

ココナッツ油 パーム油の脂肪酸モノエステルは、飽和脂肪酸が多く、脂肪酸の酸化による添加剤組成物の劣化を抑制することができ、潤滑性の向上と共に燃料油として適正な低温流動性を確保することができます。

含酸素有機溶剤

含酸素有機溶剤を配合することで、燃焼成分の燃焼をより促進することで、燃焼速度を高め、内燃機関に最適な着火タイミングを与え、燃焼速度を高め最適な着火タイミングを与えることで、安定した燃焼状態にすることができます。また含酸素有機溶剤がエーテル基またはカルボニルジオキシ基を有する非プロトン性溶媒では、腐食を促進させる活性プロトンを供給しないため、燃料タンクや燃料配管等の腐食を抑制することができるとしています。

脂肪酸モノエステル潤滑性を向上させて、含酸素有機溶剤燃焼状態の向上と燃料系統の防錆をしているわけですね。

プレミアムパワーの使いどころ

燃焼効率をアップさせパワー感を得れるのですから、「気持ちよく走る」ことを目的に使用するのは当然アリですが、使用した方が良いケースも存在します。

排気ガスの規制が年々強まってきたいますが、年数が経過した車両や過走行の車両などでは、車検時に排ガスが問題となる事があります。キャブレターを採用していた時代では、キャブの調整で基準値内に収めることもできましたが、インジェクション化された車両では、調整は出来ませんので、そんな時に「プレミアムパワー」を使用して燃焼効率を上げ、排ガスを基準値内に持っていくという使い方もできます。

昔は、野放しだったディーゼル車の排ガスも、今では黒煙測定されており基準値を超えると車検を通過することが出来ません。基準値を超えるような時にも、プレミアムパワーの使用で黒煙を抑えることが出来そうです。

フューエルワンとプレミアムパワーの同時使用について

以前は、「フューエルワン」と」「プレミアムパワー」の同時使用を和光ケミカル」では、勧めていませんでしたが、最近では、同時使用を認めているようですね。勧めていなかった理由は、フューエルワンやプレミアムパワーを他社製品と同時に使用するケースを恐れてだったようです。

しかし同時使用しても問題が無いだけであって、効率が良いとは言えません。なぜなら燃焼室やバルブ周りにデポジットが堆積して燃焼効率が落ちている時に、プレミアムパワーを入れて燃焼効率を上げるよりも、フューエルワンで、デポジットを落として本来の性能に回復させてから、プレミアムパワーの使用が望ましいと思います。

同時使用を推奨しているお店は、次の入庫はいつになるかわからないので、「売れる時に売ってしまおう」と考えているのもあるのと、フューエルワンは投入しても本当に効果が表れるには時間を要します。効果を実感しずらいと、「本当に作業したの?」と感じてしまいますよね。その対策としてプレミアムパワーの効果で実感しやすくしているのだと思われます。

最後に

フューエルワンは、常時使うものではなく定期的に使用しデポジットの除去を行い良好な状態を維持していくものです。プレミアムパワーは、燃焼効率のアップや潤滑性の向上による安定して走行及び燃費の向上だけではなく、近年の排ガス規制に合わせて燃料成分の変化への対策としての側面も持ち合わせます。その燃料の質の影響を受けるガソリン車のインジェクターやディーゼル車のインジェクションノズルは、精度の高い部品で、燃料によって潤滑されていりので燃料の潤滑成分の不足は、摩耗につながるのです。そう考えるとプレミアムパワーは、定期的な使用ではなく、給油の際に一緒に補充するなどして常に使用するのが望ましいということになります。一応、ガソリン車とディーゼル車共にも効果はあるようですが、メインはガソリン車で開発されているようです。

ハイオク仕様の車種の場合は、少ないながらも潤滑向上剤が入っているようなのでボトルの半分ずつ入れるとかでもいいかもしれません。走る距離にもよりますが、給油毎の使用では、そこそこ費用がかさみますので、プレミアムパワーの購入代金と添加したことで向上する燃費、それとインジェクターの修理費用を天秤にかけて判断してもいいかもしれませんね。

ただ言えるのは、プレミアムパワーを使用しているほうが気持ちよく走れるのは間違いありません。

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