スズキ エブリィ DA63Tのエバポレーターの清掃をする際ダッシュボードを外して作業する方が多いようですが、作業時間のことを考えると最小限の分解で済ませたいところです。そこでダッシュボードを外す事無くエアコンユニットだけを取り外す要領を紹介します。
室内ユニット取り外し
クーラーガスを抜き室内ユニットに繋がる配管を外しますクーラーガスを抜き室内ユニットに繋がるパイプを外します。エキパンは交換しないので取り外しません。
室内に側では、グローブボックスを取り外し画像には写っていませんがダッシュボードを固定している左下のM6ボルトと画像に示す箇所のビス2本を外しておきます。そして内外気切替のダクトとエアコンの室内ユニットを固定しているボルト・ナットを取り外します。サーミスタのコネクタや内外気切替のワイヤーも忘れずに外しておいてください。
次にヒーターユニットを固定している下側のナットを取り外します。
わかりにくいところにありますがヒーターユニット上部のM6ボルトを緩めますが、このボルトが緩めにくいためにダッシュボードを外す方が多いのではないかと思いますが、この部分のボルトは頭に+が入っていますのでロングドライバーを使用して緩めます。
画像の様にドライバーが斜めに掛かる事になりますので滑らないようにしっかり押し付けながら廻すようにして下さい。それでも緩まないようなら何とか手は入りますので、ショートのメガネで少し緩めてからドライバーで廻すようにしてください。このボルトは完全に取り外さずヒーターユニットが少し遊ぶ程度に緩めるだけで大丈夫です。
内外気の切り替えダクトを固定しているボルト類は最初に外しているので、上に持ち上げるようにすると下側を受けている部分が外れますのでダクトが動くようになります。
ダクトが動くようになるとスペースが生まれ室内ユニットを固定しているステーのボディ側のナットに工具が掛かるようになります。これを緩めステーを外すと室内ユニットが動くようになります。
注:スペースの都合で画像が斜めにしか撮影できませんでした。
取り外したステー。
後は、室内ユニットを下に下げるようにしながら引き出しすと、取り外すことができます。
取り外したエアコンユニットを確認すると全面びっしり埃が堆積しています。
画像を取り忘れていて陽が落ちてから撮影したので暗くなってしまいました。
エバポレーターの反対側は、完全に凍結していました。
目詰まりだけでは弱いながら風が出ていてもおかしくないのに、全く出ていなかったのでおかしいと思っていましたが、どうやら目詰まりと凍結の両方が原因のようですので、エバポレーターの清掃と共にサーミスタも交換です。
エアコンフィルター
軽トラのみならず現場仕事で使う車両全般に言えることですが、それらの使用環境では、どうしても埃を吸い込みやすくなります。エアコンの作動時にはエバポレーターの表面は汗をかいて湿った状態となっていおり埃が付着しやすくなります。そして停車時やエアコンOFFには付着した埃も一緒に乾燥し固まっていきます。これを繰り返して、いずれは風を通さないほど表面を覆うことになります。
比較的新しい車両には、このようなことが無いようにエアコンフィルターが装着されています。しかし今回紹介しているキャリィ DA63Tは新車時にはエアコンフィルターが装着されていないものの、エアコンフィルターを取り付けはできるようになっていますので、一緒に作業を行います。
エアコンフィルターと取付用の蓋+サーミスタ
まず、画像に示している部分をカッターでカットします。切り込みを入れる部分が薄くなっており、簡単に切れるようになっています。
車両に取り付けた状態では、下からエアコンフィルターを差し込む形になりますので作業しにくいので、この段階で取り付けておきます。
サーミスタを交換して室内ユニットのケースにエアコンフィルターを取り付け蓋を取り付けるとこんな感じになります。
室内ユニット取り付け
室内ユニットの取り付けは、取り外しの時の逆の手順で行えばよいのですが、内外気の切替ダクトが邪魔になり取り付けにくいと思いますが、上手く遊ばせながら室内ユニットを入れていけば無理なく取り付けることができます。
最後に
エバポレーターの清掃を行ったことで風量が回復しました。またサーミスタの交換によりコンプレッサーがOFFされるようになったことから凍結による風量低下も改善されました。
作業するする上で、どのように進めていくかは人それぞれで、「急がば回れ」も正解だと思いますが、できるなら最小限の労力で作業を完了させたいところです。今回の一番のポイントは「馬鹿とハサミは使いよう」ならぬ「工具は使いよう」です。
つまり、ロングドライバーを上手く使うことが最大のポイントです。
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