CRF250Lの購入をきっかけに、久しぶりにオフロード用ヘルメットを見にバイク用品店を訪れたが、在庫が無くて売りようがないそうだ。道理で店員さんがやる気のない雰囲気を醸し出しているはずだ。なぜ、そんなことになっているのだろうか?原因を探ってみた。
ヘルメット購入
今回、購入を予定していたのは、第一候補が、 SHOEI 「ホーネット ADV(HORNET ADV)」、第二候補が、アライ「ツアークロス3(TOUR-CROSS3)」を考えている。デザインの好みは、ツアークロス3だが、ホーネットADVの方が、高速道路での空気抵抗が少ないそうなので、ホーネットADVを第一候補、ツアークロス3を第二候補としているが、ホーネットADVになってからデザインがスマートすぎるのが難点。
初めて買ったヘルメットはアライだったが、SHOEIに移った理由は、、当時販売していたオフヘルをベースにしたようなデザインの「スーパーバイルス」が気に入ったからだったのもあって、その流れを汲むと思われる「ホーネットADV」が良さげに感じているのもあると思う。
コレ系のデザインが好みなので、販売されている者のの中では「EX-ZERO」が最も近いが、シールドが半分しかないと雨の日が辛い事とホック止めの「V480バイザー」を付けると、あまりにもレトロ過ぎるる。
そんな訳で、実店舗では在庫不足で手に入らない「ホーネット ADV(HORNET ADV)」を中心にアマゾン・楽天・ヤフーショッピング等を確認してみたが、異常に高い価格が設定されているか、適正価格なら納期が半年以上となっていた。「ツアークロス3(TOUR-CROSS3)」も同じような状況で、適正価格だと思ったらサイズが小さいなど、なかなか見つからない状況だった。
SHOEIは、2019年4月1日より「正規認定店制度」を採用しており、正規認定店にはフィッティング等を義務付けて、この認定店にしか商品を卸さない流通方式を採用しており、通販可能なのは、「Webike」や「NAPSウェブショップ」に限られているそうだ。
このような状況なので、アライ・SHOEIに絞ってヘルメットの供給不足の原因を調べてみることにした。
アライヘルメット
半導体や部材の供給不足により、納期が延びている自動車やバイクと同じ理由なのだろうか?そのあたりの疑問をホームページで確認すると、アライでは、以下のような告知があった。
アライのプロテクションには違いがある。それを実感いただいているからでしょうか、引き続き世界各国から多くのご注文を頂戴しており大変感謝しております。
現在、ご注文いただきました製品モデル毎に、想い入れを持ったアライの造り手達を振り分け、社員一丸となって生産に努めておりますが、モデル、デザインによりましては、さらにお客様を待たせしてしまっております事、心よりお詫び申し上げます。
限られた生産体制で、ひとつ、ひとつのヘルメットへ心を込めてつくることを心掛けております。何卒ご理解とご容赦のほど、よろしくお願い申し上げます。
1. 受注分の生産状況につきまして
既にご注文頂いている製品に関しまして、数ヶ月〜半年間の納期となっている製品もございます。2. 今後ご注文の生産につきまして
既にご注文頂いている製品に関しまして数か月の納期を目途に生産しておりますが、モデルによっては半年以上お待たせしてしまう場合もございます。ご予約など頂く際には販売店に今一度、状況をご確認下さい。よろしくお願いします。3. カタログ掲載、新発売予定デザインのヘルメットにつきまして
今年予定されている新デザインのヘルメットですが、既に発売されておりますデザインのご注文と合わせ生産を進めておりますことから、一部のデザインは時期未定とさせていただいております。楽しみにされているお客様へ心よりお詫び申し上げます。なお、発売が決まり次第、発表させていただきますので、今しばらくお待ち頂きますようお願いいたします。※基本情報となりますので、一部例外がございます事ご了承下さい。
ARAI HELMET LTD
世界各国から多くの注文が入っていることにより生産が追い付いていないという事のようだが、理由としては、コロナ禍によって密にならないアクティビティとして、バイクが注目されていることもあるようのだろう。また、モデルによっては納期が半年以上となるものもあるとの事だが、オンロード用に比べ需要の少ないオフロード系ヘルメットが当てはまっていると思われる。
SHOEI
SHOEIのホームページには、納期遅れについての告知が見つからなかったので、直接問い合わせてみた。
生産は日々行っておりますが予想を超える大変多くのご注文を頂いております為、
生産が追いついていない状況でございまして皆様にはご納品までに大変長い期間を頂戴している現状でございます。
- 現在、生産体制の見直しを図っているが、お客様が満足のいく供給量に追い付いていない。
- 全グラフィックモデルの一時生産停止が2022年1月~2月にかけてあったことの影響も要因。
要約すると、この二点が原因のようだ。
また代理店制度については、直接販売店を代理店としているのではなく、SHOEI→代理店(卸店)→販売店の流通経路になっていることから、SHOEIでは、販売店の入荷予定日及び入荷予定数、お客様への納入期間がどれだけかかっているか把握していないそうだ。それらを把握していないのに何を基準に生産体制をどのように改善を図っているのか、いささか疑問を感じる。
値上げ
SHOEIは、代理店制度を導入した一番の目的は値崩れ防止だと思われるが、製造に必要な原材料調達価格の上昇等の影響により2021年2月に価格改定が行われ、「EX-ZERO」「J・O」「HORNET ADV]の3種類のヘルメットについて値上げが発表された。オンもオフもヘルメットの部材や輸送コストなどは同じはずなのに、なぜこの3種類だけなのか?
これらについては「採算が合わないからの値上げする」が正しいだろう。もう一つは、言えるとすれば、これらのヘルメットは、一般的なオンロードヘルメットに比べ需要が高まっているので、値上げしても売れるという計算もあるようだ。
最後に
両メーカー共に、需要の増加に対して、設備投資をしてまで増産する気は無いようだ。そのため需要に対して供給が追い付いていないのが現状で、需要の低いオフロード系のヘルメットの生産は後回しになっているか、もともとの生産数が少ない事から特に納期が長くなっているものと思われる。
感覚的には、代理店制度を採用しているSHOEIの方が、在庫不足は深刻なようで、質問の回答が本当なら、供給不足を卸店からの発注数のみで判断しており、末端の販売店の状況は把握できていないことになる。その点については、アライのほうが、納期が半年以上かかっているモデルがある事を把握しており、消費者としては好感が持てる。
「ホーネットADV(HORNET ADV)」にしても、「ツアークロス3(TOUR-CROSS3)」にしても、納期がかかるのは覚悟する必要がありそうだが、ネットでの購入が「Webike」や「NAPSウェブショップ」に限定される「ホーネットADV(HORNET ADV)」よりも、「ツアークロス3(TOUR-CROSS3)」の方が入手しやすいかもしれない。
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