旧東青山駅に辿り着けなかった代りに、バイク談義に花を咲かせ、すっかり時間が経つのを忘れてしまっていた。これもソロツーリングの醍醐味だと納得して次の目的地へ向かう。次に訪れたのが三重県津市を流れる三重三川の一つ雲出川。ここに架かる名松線の鉄橋と土木遺産登録されている橋を同時に眺める事ができるポイントを訪れた。
雲出川八景 ニ雲橋
真美橋梁の撮影は諦め、横に架かる「ニ雲橋」をしっかりと観察することにした。この橋をグーグルマップで調べると表示される名称は、「雲出川八景 ニ雲橋」と表示される。雲出川八景ということは、あと7つ名所があるはず。そこで調べてみると以下のものがあるらしい。
雲出川八景
- 香良洲橋(令和4年3月まで架け替え工事中)
- カヌー公園
- 中村川桜づつみ
- 榊原温泉
- 石橋(潜水橋)
- 亀ヶ広並木(桜並木)
- 二雲橋
- 君ヶ野ダム
平成8年に「雲出川を守り、愛する運動」の一貫として、後生に残したい雲出川の風景を住民に募集し、「雲出川八景」が選定された。なお、香良洲橋については、架け替え工事が進められており、平成29年10月7日に「さようなら 香良洲橋」と題した渡り納となってしまっている。よって雲出川七景となってしまったようだ。
ニ雲橋(にくもはし)
二雲橋は、近代土木遺産Cランク昭和9年に白山町南家城と対岸の二俣地区などを結ぶため、雲出川(くもずがわ)に架けられたRC充腹アーチ橋(充腹は表面のみ=板状アーチ)。
列車は通過してしまった直後という悪いタイミングでの到着となった。
この路線は2時間に1本しか列車が運行しておらず、次の列車を待つには2時間ここで待機しておく必要がある。それだけの価値はあるが、他にも巡りたいところもあるので移動することにした。興味を持っておられる皆様には、ぜひ時刻表をしっかり確認してから訪問することをおすすめしたい。また、津市のホームページでは、「名松線撮影スポット情報」も紹介されている。
とはいえ、立派なアーチ橋である二雲橋だけでも、十分楽しむことができる。
二雲橋の上から河原を見下ろしたところだが、川の流れに沿って岩盤部分の部分に溝のようなものが見えるが、これは江戸時代に隣の川口村に水を引くために造られた用水路の跡だそうだ。これは、1664年(寛文4年)津藩の郡奉行であった山中為綱(やまなかためつな)の指導によって作られ、川口井と呼ばれている。
かな文字「にくもはし」
親柱横部分に日付「昭和9年3月架設」
「二雲橋」
反対側親柱「二雲橋」
反対側親柱左 「にくもはし」
反対側ににいる時から、犬の鳴き声やサイレンのような音が聞こえていた。親柱を撮影しようと近づくと鳴り出し驚いたが、センサーが反応すると音が鳴る仕組なので、自動車が通るたびに鳴っていたが、目的は、獣除けだと推察される。
二雲橋の北側からは、河原に降りることができる。柵が閉じられているので勝手に入って良いものか少し気後れしながら近づくと、ロープで結ばれているだけで施錠はされていないようだ。
ふと、脇の手書き看板に目をやると、「自由に出入りできます」と書かれていたので安心してトラロープを解き入らせていただいた。
河原にて。
橋をくぐり、反対側から撮影。ここがベストポイントのようだ。
名松線 真見橋梁(まみきょうりょう)
二雲橋と真見橋梁を絡めての撮影なら、雲出川の河原がベストポイントだと思うが、橋梁を中心とするなら、上流側にある梦窓庵という、古民家レストランの所を入ると真見橋梁の真下に出ることができた。
ニ雲橋側から見るのとは逆となり、真見橋梁の下側にニ雲橋が見えるアングルとなる、鉄道メインならこちらのアングルも悪くない。
鉄橋のを真下から。
なかなかの迫力。
良いアングルは無いものかと、脇の斜面を登ると線路が見える。
それなりにロケハンが出来たので、次回の訪問では時刻表を確認し訪れるようにしたいと思う。ニ雲橋側からの撮影は、紅葉時期が良さそうだが、きっと多くの鉄道ファンが訪れる事だろう。旧東青山駅近くで2時間も話し込んでいた私が言うもの変な話だが、なるべくひっそりと過ごしたい私としては、その時期に訪れるかは微妙であるが、興味が勝れば訪れるかもしれない。
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