電動式パーキングブレーキ採用車種では、リヤブレーキディスクやディスクパッドの脱着や交換を伴う作業を行う際は、メンテナンスモードに移行してディスクパッドとリヤブレーキディスクのクリアランスを広げる必要があります。その移行手順を画像と共に説明します。
説明に使用している車両は、2015年のマイナーチェンジでマツダ初の電動パーキングブレーキを採用した平成28年2月登録のDBA-GJEFW アクセラ(現MAZDA6)です。これ以降のマツダ車は順次変更となり、2021年1月現在、マツダでは自社製の車種(OEMを除く)とロードスターとマツダ2以外の全車に電動パーキングブレーキを採用しています。
また、この作業は、エンジンスイッチをオフにしてもメンテナンスモード解除となりませんのでメンテナンスモードへの移行と終了を行ってください。
メンテナンスモードへの移行(キャリパーのクリアランスを広げる)
1.ブレーキを踏まずにエンジンスイッチをONにする。
2.ブレーキを踏みながら電動パーキングブレーキスイッチを押し、パーキングブレーキをを解除。
3.電動パーキングブレーキスイッチを押しながら、アクセルペダルを全開で保持したまま、エンジンスイッチをOFF。
5秒以内にエンジンスイッチをONにします。
4.電動サイドブレーキの作動音がした後、メーター内にメンテナンスモードに入ったことを示す電動パーキングブレーキ警告灯が黄色に点灯します。※ダイアグコードは、(U3000-53:メンテナンスモード移行)が入ります。
5.エンジンスイッチをOFFにして移行完了です。
メンテナンスモードへの終了(キャリパーのクリアランスを閉じる)
1.ブレーキを踏まずにエンジンスイッチをONにする。
2.電動パーキングブレーキスイッチを引きながら、アクセルペダルを全開で保持しエンジンスイッチをOFF。5秒以内にエンジンスイッチをONにします。
電動サイドブレーキの作動音がした後、メーター内にメンテナンスモードに入ったことを示す電動パーキングブレーキ警告灯が消灯します。
エンジンスイッチをOFFにして完了です。
メンテナンスモードの解除忘れにより思わぬトラブルを起こさないようにしっかりと確認してください。また走行する際は、電動パーキングブレーキの解除忘れには気を付けましょう。
以下、マツダの注意書きです。
電動パーキングブレーキをかけたまま走行しない
電動パーキングブレーキがかかったまま走行すると、ブレーキ部品が過熱しブレーキシステムが効かなくなり思わぬ事故につながるおそれがあります。
走行するときは電動パーキングブレーキを解除し、電動パーキングブレーキ表示灯が消灯していることを確認してください。
MAZDA
最近では、ブレーキホールド機能が付いている車種もありますので、「AUTO]にしておけば自動でサイドブレーキを解除してくれますので気にする必要はありませんが、2018年以前のモデルチェンジ前のアテンザなどは、ブレーキホールド機能はありません。解除を忘れている場合はチャイムが鳴るようになっているものの気を付けたいところです。
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