フューエルワンもシュアラスター「LOOP」と同じく「ダブル洗浄」

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シュアラスターのLOOPは、洗浄成分としてポリエーテルアミン(PEA)とポリイソブテンアミン(PIBA)をダブル配合するダブル洗浄を売りとしており、「なんか効きそう」と感じてしまいます。しかし、実はフューエルワンも「ダブル洗浄」であることがわかりましたので解説していきます。

シュアラスター LOOPパワーショット

SurLaster

フューエルワンにの前に、「ダブル洗浄」を前面に追い出している、シュアラスター「LOOP」シリーズから解説します。このシリーズには、ガソリンとオイル添加剤がラインナップされていますが、今回はガソリン添加剤を取り上げます。

現在、「LOOPスムースショット」「LOOPパワーショット」の2種類がラインナップされています。

ガソリン添加剤LOOPとは

洗浄成分PEAとPIBAをダブル配合。

燃焼室、インジェクター、吸気バルブに付着した汚れを除去し、完全燃焼を促進することにより燃焼効率が高まりスムーズなアクセルレスポンスを回復します。

燃費悪化やアイドリング不調の原因となる汚れを除去しハードなカーボン&スラッジまでも除去。エンジンコンディションを最適な状態に戻します。

SurLaster

メーカーの説明では、洗浄成分のダブル配合を最大の売りにしています。

また、「スムースショット」と「パワーショット」の違いは、下図のようになっています。

目的 スムースショット  パワーショット 
   インジェクターの清掃   
吸気バルブ洗浄
燃焼室洗浄
燃焼室コーティング
キープクリーン
SurLaster

どちらの商品も「ダブル配合」「ダブル洗浄」となっていますが、パワーショットの方が洗浄力が高いようです。

用途

4サイクルエンジンの四輪/二輪車用となっており、2サイクルやディーゼルは使用不可。

添加量

240ml、40~60Lに対して1本添加(ガソリン量の0.4~0.6%)

ダブル洗浄

洗浄成分としてポリエーテルアミン(PEA)とポリイソブテンアミン(PIBA)を配合していることは公表していますが、容器の記載には、「石油系炭化水素特殊洗浄剤」「特殊潤滑剤」としか記載されていません。それぞれ何を示しているのかを考察してみます。

石油系炭化水素特殊洗浄剤

石油系炭化水素特殊洗浄剤とは、ポリエーテルアミン(PEA)とポリイソブテンアミン(PIBA)の事を表しており、有機アミン化合物である燃料油清浄剤を表していると思われます。どちらも洗浄効果が認められていますが、一般的にポリエーテルアミンが多くの製品に使われています。

簡単に特徴を表すと

ポリエーテルアミン(PEA)

エンジン内部に付着したスラッジを金属表面から取り除く効果を持ちます。

ポリイソブテンアミン(PIBA)

バルブ清浄化作用やバルブ汚染対策作用を持ち、エンジン内部のスラッジの堆積を防いでくれます。

ポリイソブデンアミン(PIBA)については、以前の記事でも記載しましたが、洗浄力は認められていましたが、ポリエーテルアミンとの相性が良くないことから、冷間時にインテークバルブ摺動部の動きが悪くなる事から、始動不能などの不具合を起こすリスクがありました。また粘度が高く配合量を増やすと燃料の供給に影響が出るので使いにくかったようです。

特殊潤滑剤

「特殊潤滑剤」は、耐荷重添加剤の一つで油性剤や潤滑性向上剤とも呼ばれるものの事と思われますが、これは低荷重時の摩擦面に油膜を形成し摩擦を軽減するものです。

代表的なものとしては、「長鎖脂肪酸」「脂肪酸エステル」「高級アルコール」「アルキルアミン」がありますが、ガソリン・ディーゼル燃料用油性向上剤としては、「脂肪酸エステル」が使用されていると思われます。

これら配合されている洗浄剤の働きを図にすると、以下のようになります。

目的スムースショットパワーショット洗浄剤
インジェクターの清掃 ポリエーテルアミン(PEA)
吸気バルブ洗浄ポリイソブデンアミン(PIBA)
燃焼室洗浄ポリエーテルアミン(PEA)
ポリイソブデンアミン(PIBA)
燃焼室コーティングポリイソブデンアミン(PIBA)
キープクリーンポリイソブデンアミン(PIBA)

これらの洗浄効果に潤滑性向上剤の「脂肪酸エステル」を加え、スムーズなアクセルレスポンスをより体感できるようにしているものと思われます。

ポリイソブデンアミン(PIBA)は、高濃度に配合することが難しい化合物なので「パワーショット」でも少量の配合だと思われますが、燃焼室のコーティングとキープクリーンの作用があるようです。しかし同じく「ダブル洗浄」となっている「スムースショット」にはそれらの効果はなく、洗浄力も「パワーショット」よりも劣る事から、ポリイソブデンアミン(PIBA)は、ごく少量の添加と言えそうです。

フューエルワンとの比較

SurLaster・Amazon

シュアラスター LOOPと同じく、フューエルワンも洗浄剤として、高純度ポリエーテルアミン(PEA)を使用していますが、IVD(インテークバルブデポジット)については、別の洗浄剤を使用しています。何を使用しているかは明かされていませんが、おそらくポリイソブデンアミン(PIBA)だと思われます。もしポリエーテルアミン(PEA)とポリイソブデンアミン(PIBA)を使用しているのなら、フューエルワンもダブル洗浄ということになります。

そのことについて和光ケミカルに問い合わせると、ポリイソブデンアミン(PIBA)の使用については答えてもらえませんでしたが、別の洗浄剤の使用については認めており、インテークバルブデポジットの洗浄に高い洗浄力を持つ洗浄剤といえば、ポリイソブデンアミン(PIBA)しかないと思います。

そしてダブル洗浄について「他社はダブル洗浄をアピールしているの対し、なぜフューエルワンはアピールしないのか?」の質問には「他社は、そのへんがすごくうまい。しかし和光ケミカルは商品でアピールするのが基本姿勢。オーバートークはしない。」との答えでした。

モデルチェンジ時の水溶性デポジット対応についても答えてもらえませんでしたが、「他社製品よりも先んじて発売している商品であり、和光ケミカルの技術者は消費者がいらぬ心配をしなくても安心して使える商品を開発・販売している。」と圧倒的な自信が感じられました。

これらの質疑応答から推察するに、オーバートークをしないフューエルワンは防錆効果と酸化防止性能を持つことがわかっていますが、アピールがうまいシュアラスター「LOOP」が、それをアピールしていないので、もしかするとないのかもしれません。

フューエルワンについては以前の記事で解説していますので興味のある方は、ご参照ください。

フューエルワンとシュアラスター LOOPの比較

目的スムースショットパワーショットフューエルワン洗浄剤
インジェクターの清掃 ポリエーテルアミン(PEA)
吸気バルブ洗浄ポリイソブデンアミン(PIBA)
燃焼室洗浄ポリエーテルアミン(PEA)
ポリイソブデンアミン(PIBA)
燃焼室コーティングポリイソブデンアミン(PIBA)
キープクリーンポリイソブデンアミン(PIBA)
防錆効果なし?なし?カルボン酸,スルホネート,リン酸塩,アルコール,エステルなど
酸化防止性能なし?なし?ジチオリン酸亜鉛,有機硫黄化合物
、ヒンダードフェノール,芳香族アミン
、N,N’-ジサリシリデン-1,2-ジアミノプロパンなど

ガソリン/ディーゼル兼用の「フューエルワン」は、NOxやPM粒子状物質の排出抑制金属の腐食や触媒の被毒の原因となる硫黄の含量を低減され、潤滑性が不足気味になっている軽油を用いるディーゼルエンジンにも対応できるように潤滑性向上剤を添加しているのに対し、ガソリン車専用としている「LOOP」では、その配合量はフューエルワンに比べ少ないと考えられ「スムーズなアクセルレスポンス」についても差が出るのではないかと思われます。

最後に

各社の機密事項の部分なので、内容物や配合量を知るすべはありませんが、調べてわかる範囲で考えると、業界で最も高純度のPEAを使用する「フューエルワン」が有利と思われます。フーエルワンは圧倒的な自信で「使えばわかる」といったスタンス。フューエルワンと同じ最高純度のPEAが使えない他社は、アピールで勝負なのかもしれませんね。

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