始動不能でフューエルタンクとフューエルポンプの錆取りを行ったFIモンキーでしたが、結局のところエンジン始動には至りませんでしたので、原因を追究していくと、フューエルポンプが固着していました。そこで原因と思われるサビを除去するためにダメもとで「ピカタンZ」に漬けておいたら、ポンプモーターが回るようになりました。今回は、その作業の流れや点検の仕方を初心者の方でもわかるように、わかりやすく解説していきます。
FIモンキー故障探求
インジェクションといっても、最初に見るべきところは同じで、「良い圧縮」「良い点火」「良い混合気」ですので、基本から確認していきます。
良い圧縮
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50㏄ですので軽く感じますが、キックが重くなる所があれば、とりあえずはOKでしょう。
良い点火
プラグを外し、プラグをエンジン本体にアースしながら、キックした時に火花が飛ぶかを確認します。
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火花は飛んでいるので、OKですね。
良い混合気
混合気は、確認する事が出来ませんので、サイドカバーを外し、フューエルポンプから燃料が送られているか確認します。
フューエルポンプ部でホースを外し燃料を送っているか確認しますが、燃料は出てきません。
どうもフューエルポンプが回っていないようです。
フューエルポンプ系統点検
フューエルポンプのコネクターを外し、電圧を確認。
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およそ12V電圧が掛かっていますので、ポンプまでの回路には問題なさそうです。
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次にフューエルポンプの端子間抵抗を測定します。
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測定の結果、「導通あり」なのでモーターの断線も無いようです。
バッテリーから、直接、電圧をかけてもポンプ動かなかったので、
フューエルポンプモーター固着で間違いなさそう。
フューエルポンプの固着を解消する
フューエルポンプの価格を調べてみると、純正フューエルポンプ、2万円オーバー。
痛すぎる…。
オークションなどでも出ていますが、
「動作確認できていない」→動かない可能性有
「モーターの作動音はしている」→ポンプは動いていてもフィルターの目詰まりの可能性有
安ければそれでもいいけど、結構いいお値段がしていますよね。
それなら新品が安心なんだろうけど…。
そんな訳で、最後まであがいてみます。
ポンプ固着が錆によるものと仮定すると、錆を溶かしたら動き出すかもしれないと思うのだろうか?
ダメもとで、再びピカタンZに付けておくことにした。
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3日目ぐらいまでは毎日、電圧をかけ動作をチェックしていたけど、、その後すっかり忘れていて丸2週間が経過していた。
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半ばあきらめ気味でしたが、端子にバッテリー電圧をかけると、
「動いた!」
早速、車体に取り付け「キック!」
拍子抜けするぐらい、あっさりエンジン始動しました。
ピカタンZで洗浄後は、しっかりと水分を除去してから取り付けるようにしましょう。
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今回も前回のタンク清掃と同様に「ピカタンZ」の廃液を使用しているので、時間が掛かりましたが、新しい液とお湯を使い錆の除去を行うともっと早かったかもしれませんね。
また、フューエルタンクの清掃には、サンポールを使う方がコストが安いのですが、中和がうまくいかなかった場合、ポンプの錆がさらにひどくなる事も考えられますので、フューエルポンプの清掃をするのは、洗ったままで中和する必要のないピカタンZを、おススメします。
インジェクション車のエンジン始動について
キャブでは、バッテリーが上がっていてもエンジンを始動することが出来ますが、インジェクション車では、バッテリーでポンプを動かしているので、電源が供給されている必要があります。ですのでバッテリーを交換するか充電してからエンジン始動してください。
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今回は、完全にバッテリーが死んでおり充電できない状態でしたので、バッテリー端子に別のバッテリーから電源を供給して点検・始動を行っています。
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FIモンキーは、バッテリー端子がコネクター状になっていて、端子の幅が狭いので削った平ギボシを差し込み、クリップを挟めるようにしています。
ちなみにFIモンキーはシート下にバッテリーがありますが、シートを外さなくてもバッテリー端子のコネクターのサイドにあるツメを抑えると抜く事が出来ます。
最後に
FIモンキーのフューエルポンプは、ポンプ内にフィルターがあるのでゴミがたまるように作られているのですが、フューエルタンク内に溜まった水分もポンプに流れ込みやすい構造になっているので、タンク内に錆が発生していなくてもポンプ内に溜まった水分によって錆が発生する可能性が高いような気がします。
フューエルポンプに電源が入っており、ポンプの端子間に断線がない場合は、錆による固着を疑い錆を除去すれば動き出す可能性があることが分かりました。同じような症状の方は、高価なポンプを注文する前に、試してみてください。
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