「新車から初回3年、以降2年に一度、受けなければならない車検ですが、最近、テレビCMで宣伝している「コミッと車検」なるものを目にしますが、宣伝の内容を鵜呑みにすれば、すごく「お得」「安心」「低価格」に思えます。
ターゲットは、「自動車のことはわからない」、「費用はなるべく安い方が良い」とお考えの方だと思われますが、一般的にガソリンスタンドなどでタイヤ、バッテリー、オイルなど悪くもないのに不安を煽り交換を進めるケースが多いのも事実です。
そんなガソリンスタンドであるコスモ石油が展開している「コミっと車検」がどんなものか、その内容と気を付ける点を解説していきます。
コミットと車検
「来店せずにアプリで簡単見積り、追加整備費用がかからないおトクな車検です!」がキャッチフレーズになっています。
対象車種
- 自家用の乗用車(普通自動車/軽自動車/小型自動車)
- 国産の8メーカー(トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダ、三菱、ダイハツ、スズキ)
- 初度登録年月から20年未満(北海道の場合、初度登録年月から13年未満)
- 走行距離が20万km未満(北海道の場合、走行距離が10万km未満)
走行距離や年式の経過していない車両は、問題ないかもしれませんが、「走行距離が多い」「年数が経過している」車両は追加料金がないのか、しっかり確認が必要です。
対象外の車種
- 国産の8メーカー(トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダ、三菱、ダイハツ、スズキ)以外の自動車
- 乗車定員11人以上の自動車
- 乗車定員10人以下で車両総重量8トン以上の自動車
- レンタカー及び大型特殊車両
- 車検切れの自動車
- 事業用や貨物車両
- 走行距離が20万km以上(北海道の場合、走行距離が10万km以上)の自動車
- 初度登録から20年以上の車両(北海道の場合、初度登録年月から13年未満)
当然ですが、「部品代が高い」「工賃が高い」「業務車両」「故障リスクが高い」車両は外れていますね。
車検に必要な主要36部品の整備費用も含めたコミコミ価格
車検に必要な主要36部品とありますが、要するに不具合があると車検適合とならない部分(部品)のことを指しています。
規定の整備対象部品と整備基準予防交換する部品
- ブレーキフルード整備基準:2年以上経過
- ブレーキライニング・シュー整備基準:摩擦材2mm以下
- ブレーキパッド整備基準:摩擦材3mm以下
- エンジンオイル整備基準:半年以上経過
- オイルエレメント整備基準:オイル交換2回に1回
- バッテリー整備基準:3年以上経過(ハイブリッド車の補機バッテリーは5年。保証期間が3年以上の場合は保証期間に準拠)
乗用車では、新車からの初めての車検は3年となりますが、こみット車検のバッテリー交換サイクルは3年と規定しています。車検は、期日までに更新するものですから3年経過していないことになります。ですのでバッテリーが交換されない可能性もあります。よく確認しておきましょう。
異常があれば交換する部品
- 電球整備基準:切れたら
- ヘッドライトコート整備基準:ロービーム1灯あたり6400cd未満
- 発煙筒整備基準:使用期限超過時
- ワイヤーブレード整備基準:拭き残し・ひび割れ発生時
- ミッションオイル(ATF/CVTF)整備基準:油色変化・劣化時
- デフオイル整備基準:油色変化・劣化時
- クラッチオイル整備基準:油色変化・劣化時
- パワステフルード整備基準:油色変化・劣化時
- LLC整備基準:液量低下、液色変化時
- ラジエターバルブ整備基準:異音、緩み、亀裂発生時
- ラジエター本体整備基準:液漏れあり
- エアーエレメント整備基準:異音、目詰まり
- スパークプラグ整備基準:異常発生時
- Vベルト整備基準:異音、緩み、亀裂発生時
- ハブペアリング整備基準:異音、ガタつき発生時
- ステアリングギアボックス整備基準:液漏れあり
- ステアリングブーツ整備基準:亀裂・グリス漏れ発生時
- ドライブシャフトブーツ整備基準:亀裂・グリス漏れ発生時
- タイロットエンドブーツ整備基準:亀裂・グリス漏れ発生時
- スタビライザーリンク整備基準:油滴・液漏れ発生時
- ロアアームブーツ整備基準:亀裂・グリス漏れ発生時
- プロペラシャフト整備基準:亀裂・損傷発生時
- ショックアブソーバー整備基準:油滴・液漏れあり
- ブレーキドラム整備基準:亀裂・損傷発生時
- ホイールシリンダー整備基準:亀裂・損傷発生時
- ディスクローター整備基準:亀裂・損傷発生時
- ディスクキャリパー整備基準:亀裂・損傷発生時
- ブレーキホース整備基準:亀裂・損傷発生時
- マフラーコート整備基準:錆による腐食の発生時
- 下回り塗装整備基準:錆による腐食の発生時
※北海道店舗の場合、下記パーツは対象外となります
(22)プロペラシャフト、(23)ショックアブソーバー、(26)ディスクローター、(27)ディスクキャリパー、(29)マフラーコート、(30)下回り塗装
「異常があれば作業をする項目」とは、部品交換をしないと車検に通らない部品のみと考えたほうがいいでしょう。例としては、スパークプラグの交換は、イリジウムプラグで10万キロで交換指定ですが、異常があれば交換になっています。スパークプラグが原因のエンジン不調がなければ交換しないという事です。
アプリでかんたんお見積り
コスモ石油マーケティング(株)の「Carlife Square コスモのアプリ入れトク!」をダウンロード。
画面が開くとメールアドレスの入力画面になりますが、「そのまま使う」をクリックで入力無しでも、次に進むことが出来ます。
次に、「地図から探す」か「都道府県から探す」のどちらかから、希望のコスモSSを探し登録すると「利用開始」ボタンが現れますので、をクリックします。
下側の真ん中にある「車検・リース」をクリック
コミっと車検「無料3分見積もり」をクリックすると、次の画面で車検証情報の入力を求められますので、「QRコードでかんたん入力」をクリック。
車検証の右下に記載されている「QRコード」の数が、「8個」か「6個以下」かを選びを読み取ると全項目自動で入力してくれます。
その他に、「ダッシュボード情報」として走行距離とオイル交換が「必要」か「不要」かの項目をチェックして、「見積もりを始める」をクリックすると金額が表示されます。
オイル交換有を選択すると、以下の見積もりとなります。
今回、画像を乗せているのは軽自動車の見積もりですが、オイル交換無しの場合「車検+整備費用」は、42,500円です。24か月法定点検が16,500用を11,000円とすると、交換部品が無い場合では、差額の15,000円を余分に払うことになりますので、最低でも15,000円相当の作業をしてもらうべきかと思います。
エンジンオイル交換が必要とチェックすると、4,100円見積額が上がりました。すべてコミコミが謳い文句のはずなのにエンジンオイルの交換は、別途で有償交換ですね。これは整備費用の中に入っていて内訳としては出てきません。軽自動車の場合はエンジンオイルのみの交換で2.5L、オイルエレメントの交換時で3.0Lとすると990円/Lとして2,700円、オイルエレメントの価格が1000円前後と言ったところでしょうか?それともオイルの価格かもっと高いかのどちらかでしょうね。
充実のアフターケアと安心の整備基準
- 車検1年後の法定12ヶ月点検を無料で実施
- 車検後半年または走行距離1万km以内に定額整備対象部品で異常が発生したら無料で整備・交換
アフターケアでは、無料で法定12か月点検をしてくれるようですが、気を付けてほしいのが半年または1万キロしか車検の定額補償対象部品での異常は整備や交換を行ってくれませんので、12か月点検の点検代のみが無料で、オイル交換やバッテリー、タイヤなど、通常ガソリンスタンドが売りたがる商品を勧められる事は覚悟しておきましょう。
まとめ
コミッと車検の内容とアプリによる見積もりの仕方について紹介しましたが、「来店せずにアプリで簡単見積り、追加整備費用がかからないおトクな車検です!」のはずですが、アプリによる見積もりは、あくまでも目安で、「店頭に車両を持ち込んだ際に見積金額を伝える」とあります。また追加が出た時は「連絡により同意を得ることで了承とする」旨も記載されており、追加費用が発生すると言っています。
また、コスモ石油の本部では、アプリなどのプラットホームを整備するだけで、車検を持ち込んだ販売店に丸投げの形をとっているので、お店ごとの対応が違うことが予想されます。
作業自体も提携工場での作業だと思いますので、持ち込んだ店舗で、しっかり作業内容を確認をすることが重要となります。
コメント
対象外の車、初年度登録のところ変ですよね。
コピペだと間違いやすい部分ですね。
ご指摘ありがとうございます。おっしゃると通りコピペ後に書き換えるつもりで忘れていたようです。
自分で読んでも意味が分からない(笑)ちゃんと訂正しておきました。