バイクの場合、事故や転倒でクラッチレバーが折れてしまうリスクが高いので、イザというときの為に知っておくと便利なテクニックもしである「セル発進」を紹介します。セル発進と言うぐらいなので残念ながらマニュアルのセルモーター付き車しか出来ません。
セル発進の方法
やり方は、かんたんで、エンジン停止状態でギヤを「1速」もしくは「2速」に入れたまま、セルモーターを回すことで、でエンジン始動と共に発進することができます。
どんな車種でもできるの?
マニュアル車なら、どんな車種でも可能ですが、「クラッチスタートシステム」が装備されている車両ですと、ひと手間掛ける必要があります。
クラッチスタートシステムのキャンセル
キャンセルと言っても至って簡単で、クラッチレバーの所についている配線を短絡させるだけ。
クリップなどの金属で端子同志を繋ぐだけでキャンセルできます。
余り大きいものを差し込み、端子を広げてしまわないように注意してください。
クラッチスタートシステムキャンセル用の配線を用意する
ちなみに私はキャンセル用の配線を作り車載工具と共に常備しています。
作り方は簡単で、110型のギボシのオス2個を配線に付けるだけ。そして被覆の為に収集チューブを巻いています。
発進
セルでの発進時は、「ガクガク」としゃくられますが、ビビらずに、セルを回し続けると走り出すことができます。
シフトアップ
発進が出来たら、次はシフトアップのやり方ですが、アクセルを戻すと回転数も下がりますよね。続いて回転数が下がった状態でアップ方向ににシフトペダルを軽く押し付けていくと「ガチャ」と言った感じでギアが入ってくれます。
シフトダウン
シフトダウンは、アクセルを戻し、回転を合わせる必要がありますので一旦アクセルを煽り一瞬だけ回転を上げ、回転の上がっている間にシフトをダウン方向に力を掛けます。ただしミッションを破損する恐れがありますので無理なシフトは厳禁です。
シフトダウンはシフトアップより難度が上がりますので、出来ない場合は、シフトアップを最低限にして走行し、信号待ちなどで停車してからシフトダウンするようにしましょう。
走行時の注意点
セルモーターで発進するので、バッテリーに負担を掛けることになりますので、以下のように注意するように心がける必要があります。
- セルを回す時間は最短にする。
- 渋滞を避け空いている道を走る。
- 信号など停車する機会が少ない道を選ぶ。
- 信号などでは手前から減速して、停車せずに走り抜けるように工夫する。
- ライトが消せるなら消灯、もしくはスモールにする。USB電源なども使わず省電力に努める。
- ミッションに負担を掛けないように、ソフトなシフトを心がける。
- 「クラッチスタートシステム」をキャンセルしている端子が外れるとセルが回せなくなりますので、外れないようにしっかり固定しておく。
- 周囲のの交通状況を確認しながら走行する。
私の体験談ですが、その当時は保険にロードサービスなんてものがなく、JAFも二輪は対応してくれていなかった頃に、事故でクラッチレバーとブレーキレバーが折れてしまいました。幸いエンジンは始動するので、セル発進でバイク屋さんまで向かうことにしました。バイク屋さんまでは、30キロ程の道のりでしたが、途中で渋滞に嵌り何度も停車する状況となってしまいました。バッテリーの不安があるので、「これ以上のセル発進はヤバい」と判断し、高速道路を使った経験があります。もし可能であれば高速道路を走るのも一つの方法だと思います。
最後に
セル発進の方法と注意点について解説しましたが、その状況になってからでは、対応できないかもしれませんので、あらかじめセルでの発進、クラッチを握らずにシフトアップ・ダウンの練習をしておいて”コツ”を掴んでおくことをお勧めします。
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