バッテリーの性能を測定する方法として、CCA(コールド・クランキング・アンペア)の略です。主にアメリカやヨーロッパで採用されていましたが、現在では、エンジン始動時の性能を計測する方法として、日本でもCCAを使用する様になってきています。そこで、CCAの測定方法、テスターについて解説します。
CCA(コールド・クランキング・アンペア)
CCA(コールド・クランキング・アンペア)とは、そのバッテリーが低温時にエンジンを始動させることができる能力を測定するための基準です。
CCAのテスト方法は、JIS規格(日本工業規格)やSAE(米国自動車技術委員会規格)では、(摂氏-18℃)(華氏-0℉)の低温状態で、定電流放電した際、30秒目の電圧が7.2V以上を保てる限界の放電電流値がCCA値となります。
なぜ、低温を「摂氏-18±1℃」と定義しているかというと、アメリカやヨーロッパで使われる、温度の単位「華氏」では、0度となるからです。
サルフェーション
鉛バッテリーは、放電する際にプラス・マイナス両方の電極に鉛硫酸塩(絶縁物質)が生成され、内部抵抗が上がることにより電気を取り出しにくくなったり充電しにくくなったりする現象のことををサルフェーションといいます。
バッテリー性能測定方法
バッテリーのテストには、大きく分けて3種類の方法がありますが、バッテリーに負担がかかるものから順にレジスタンス法>インピーダンス法>コンダクタンス法となっています。
レジスタンス法(負荷測定法)
レジスタンス法(負荷測定法)は、バッテリーにエンジン始動時と同じ程度の負荷を与え、下がった最低電圧と電流の変化を測定する方式ものです。そのため何度も測定することは、バッテリーの寿命を縮めることとなります。また、この点検方法は、バッテリー単体で測定する必要があるため、車両に接続した状態で測定はできないです。
インピーダンス法
特定の周波数でバッテリーに負荷与え放電させた時の、セル及びユニットの電圧の低下を測定し、その電圧降下からオームの法則により内部抵抗(=インピーダンス)を算出する方法。
現在。多くのバッテリーテスターで採用されている方式ですが、充電制御車は通常の走行では満充電とはならないので、走行後すぐでは正確な測定ができません。正確に測定するには、バッテリーチャージャーを用い満充電した上で測定を行う必要があります。
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コンダクタンス法
鉛バッテリーは、サルフェーションなどにより内部抵抗が高くなります。コンダクタンス法とは、バッテリーのセル及びユニットに特定の低周波交流信号を流し、端子間の電気の流れやすさを表す「コングスタンス(電導率)」を測定する方法で、電気が流れやすさををCCA値に置き換えて表示するものがコンダクタンステスターです。
このテスターの特徴は、放電状態でも測定が可能であるため満充電にしてから測定する必要がなく、大電流を放電しないのでバッテリーを痛めず繰り返しテストを行うことができ、安全性に優れています。
また「コンダクタンス法」は、アメリカのミドトロニクス社が特許を持っており、同社のテスターにのみ採用されています。欧米諸国では、正確に測定できるバッテリーテスターとして一般的に使用されているようです。
最後に
バッテリー性能の判断基準として、CCA(コールド・クランキング・アンペア)の説明とそれを測定するためのテスターの種類について説明しましが、通常のバッテリーのみならず充電制御用・アイドリングストップ用・HVの補器バッテリーと様々な種類のバッテリーが登場している中で、バッテリーテスターの購入を考えておられる方は、コンダクタンス法を採用しているバッテリーテスターがバッテリーを攻撃しませんし、安全性も高く満充電にする手間も省けるのでお勧めです。
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