コロナウイルスが蔓延して早一年になりますが、それと期を同じくして自転車のマナーの悪さが目に付く様になってきています。一見、無関係のように思いますが実は関係があったのです。その理由は取締りにありました。そのことを頭に入れた上で運転する必要がありそうですので解説していきます。
改正道路交通法
自転車のマナーが悪いと聞くと自主的な印象を受けるかもしれませんが、実際は法令違反なのです。これは、2015年6月1日に改正道路交通法が施行され、3年以内に2回以上「危険運転行為」の摘発を受けた自転車運転者は、自転車運転者講習の受講が義務づけられています。(講習料5,700円、受講しないと5万円以下の罰金)
危険運転行為
① 信号無視
② 通行禁止違反(車両通行止め、自転車通行止めなどの違反)
③ 歩行者用道路徐行違反(ブレーキをかけてもすぐ止まれない速度)
④ 通行区分違反(車道右側逆走など)
⑤ 路側帯通行時の歩行者通行妨害
⑥ 踏切一時停止違反、遮断踏切立ち入り
⑦ 交差点安全進行義務違反(交差点進入、通過時の速度や安全確認)
⑧ 交差点優先車妨害(右折時の反対車線直進車への妨害)
⑨ 環状交差点(ラウンドアバウト)の安全進行義務違反
⑩ 一時停止違反(自転車の場合は足を地面につくこと)
⑪ 歩道通行時の通行方法違反(歩行者妨害、ベルを鳴らすなど)
⑫ ブレーキ不良自転車運転(ブレーキなし自転車など)
⑬ 酒酔い運転
⑭ 安全運転義務違反(傘さし、携帯電話・スマホ使用運転など)
改正道路交通法の効果
このように法律で明確化された上に、講習や罰金の取り決めが行われたため、改正道路交通法の施行以降は、目に見えてマナーが良くなっていました。しかし、初めのうちは警察も積極的に摘発を行っていたこともあり一定の効果がありましたが、年数がたつにつれその効果が薄れ、徐々に元に戻りつつあるのが実情でした。
コロナと自転車マナー
なぜこのような状態に戻ってしまったのでしょうか?一言で言えば、改正道路交通法の効果が薄れてきたことが原因ですが、なぜ効果が薄れてきたのでしょうか?
これは、警察の怠慢以外の何物でもありません。それだけではなく警察官の意識の低さにも原因があります。なぜなら、急いでいたのでしょうが、自転車に乗った警察官が歩道を猛スピードで逆走している風景を見かけた時は取り締まるべき、もしくは見本になるべき警察官が、これではマナーが良くなるはずがないなと妙に納得したのを覚えています。
しかし、コロナが始まってからというもの、目に見えて自転車のマナーが悪くなってきています。あまりに酷すぎる状態になっているところに、春の交通安全週間が始まりラジオから流れてくる啓発の文句が、「自動車は自転車に気を付けよう」「歩行者は自動車に気を付けましょう」と啓発するにもかかわらず、なぜか自転車に対する啓発が聞こえてきません。
この点について、大阪府警の交通課に問い合わせると共に、自転車のマナーの現状について尋ねました。
するとラジオの自転車に対する啓発については、「そうですか~」と軽く流すような感じで、それ以上の回答は得られなかったものの、実際に自転車のマナーの悪さについては把握しているそうで、コロナ禍により検挙件数が減っているのも事実との事。それはなぜかと尋ねた所、密集を避ける意味もあるとのことでしたが、これが講習のことを意味しているのか直接、罰金に繋がらない自転車の取り締まりを減らすことでパトカー内での密室となる機会を減らしているのかはわかりませんが、もともとおろそかになっていた取り締まりが、更に甘くなっていることは事実のようです。
最後に
自転車のマナーについて取り上げましたが、自動車やバイクの方もコロナ禍になってから、満員電車に乗るのを嫌がりマイカー通勤するサンデードライバーが増え走りにくくなっているのも事実ですが、自動車・バイク側がいくら気を付けようとも、最近はやりの自動ブレーキが付いていても、制動距離内に飛び出してきたら、事故を避けることは不可能です。そのために自転車の取り締まり強化は必須だと思いますが、警察は人が亡くなりマスコミにでも取り上げられない限り動きません。そのような実情を意識しながら、運転する必要性が今まで以上に高まっていますのでお気を付けください。
コメント
警察の取り締まり以前に、そもそも自転車のルールやマナーを知らない人が多い原因に焦点を当てた記事も書いてほしいですね。
小さい頃から乗り始めることが多い自転車ですが、買い与えるだけでルールやマナーを教育する親が少な過ぎることが原因です。
そもそも自転車ルールをきちんと把握している親が少ないです。
そして、質の悪い自転車乗りを育て教育している親のどちらかは運転免許所持者です。
間違った勝手な思い込みルールで悪いことをしていない自転車乗りに因縁をつけるドライバーが多く、ヤフコメやYoutubeコメント欄でもよく見かけます。
こういう類の記事は殆どが似たような内容ばかりで、深く原因の掘り下げをしている記事を見た事がありません。
漏れ出た水をどうするかも大切ですが、根本の穴を塞ぐことの方がもっと大事だと思います。
通りすがり様、はじめまして。
この度は、コメントありがとうございます。
文面からルールや法規を順守されている自転車乗りの方だと推察します。
それらの方からすると、マナーの悪い自転車乗りと一括りにされると
腹立たしく感じているかもしれません。
マナーを守っている方を同一に見ているつもりはありませんが、
もし、気分を害されたのならお許しください。
コメントの内容について、通りすがり様がおっしゃる通り、
自転車に乗っているもののルールやマナーを知らない人が多いのは
紛れもない事実です。
また、親が子供に対して教育が出来ていない点についても同感です。
また、勝手な思い込みでルールを守っている自転車乗りに因縁を付ける
ドライバーもいるのも事実でしょう。
付け加えるならば、当方の地域ではルール違反の自転車が
歩行者やドライバーに対し因縁を付けたり、睨みつける事例が頻繁に起こっております。
これは、自転車乗りやドライバーが、それぞれが自分の立場からしか物事を判断できないからで、
自動車と自転車という乗り物の問題に加え、性格的な要素が加わっているような気がしています。
ただ、その誤解を生んでしまう一番の原因が、警察などの公的機関の周知不足が上げられます。
最後に、文中の「深く掘り下げる」というのは、「なぜ自転車のマナーが悪くなるのか?」といった点に、
焦点を当てるという事でしょうか?
もし、そうであれば、私なりの見解を記事として準備しております。近日中に公開する予定ですので、
機会があればお目通しいただけたらと思います。
この度は、ご訪問ありがとうございました。