自働車の発煙筒には有効期限があり、火薬は花火と同じものです。

スポンサーリンク
自動車関連
スポンサーリンク

クルマが故障した時、後続車などに非常を知らせるために使われるのが、発炎筒です。これは車両の故障や事故の際に路上でやむを得ず停車した際に、二次災害を防ぐために後続車に自車の存在を知らせる為に使われ、必ず常備する義務があるものです。そんな発煙筒の有効期限が切れたままの方が多いのが実情です。今回は、その発炎筒の法律・構造や規格についても紹介していきます。

発煙筒とは

発炎筒は道路運送車両法保安基準で装備が義務付けられている「非常用信号用具」のひとつで、非常用信号用具の条件は道路運送車両法220条で「夜間200mの距離から確認できる赤色の灯光を発するもの」「自発光式のものであること」などが定められています。

(道路運送車両の保安基準)
第四十三条の二  自動車には、非常時に灯光を発することにより他の交通に警告することができ、かつ、安全な運行を妨げないものとして、灯光の色、明るさ、備付け場所等に関し告示で定める基準に適合する非常信号用具を備えなければならない。ただし、二輪自動車、側車付二輪自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車及び被牽引自動車にあつては、この限りでない。

道路運送車両の保安基準・第2章・自動車の保安基準・ 第43条の2

(非常信号用具)
第 220 条 非常信号用具の灯光の色、明るさ、備付け場所等に関し、保安基準第 43 条の
2第1項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
一 夜間 200m の距離から確認できる赤色の灯光を発するものであること。
二 自発光式のものであること。
三 使用に便利な場所に備えられたものであること。
四 振動、衝撃等により、損傷を生じ、又は作動するものでないこと。
2 次の各号に掲げるものは、前項の基準に適合しないものとする。
一 赤色灯火の発光部のレンズの直径が 35 ㎜未満の赤色合図灯
二 豆電球 2.5V・0.3A の規格又はこれと同程度以上の規格の性能を有しない電球を使
用した赤色合図灯
三 JIS C8501「マンガン電池」の R14P(いわゆるマンガン単二形乾電池)の規格若し
くは JIS C8511「アルカリ一次電池」の LR 6(いわゆるアルカリ・マンガン単三電
池)の規格又はこれらと同程度以上の規格の性能を有しない電池を使用した赤色合図

四 灯器が損傷し、若しくはレンズ面が著しく汚損し、又は電池が消耗したことにより
性能の著しく低下した赤色合図灯
五 JIS D5711「自動車用緊急保安炎筒」の規格又はこれと同程度以上の規格の性能を
有しない発炎筒
六 損傷し、又は湿気を吸収したため、性能の著しく低下した発炎筒

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.09.26】〈第三節〉第 220 条(非常信号用具)

発煙筒に求められる使用上の要件

緊急時に屋外で使用され、かつ実用に耐えうる性能を有しているかをJIS規格「自動車用緊急保安炎筒」では、大まかには以下のように規定しています。

D 5711:2004  

  • 加湿後直ちに点火したとき,正常に着火し,かつ,正常に燃焼しなければならない。 
  • 加振後点火したとき,正常に着火し,かつ,正常に燃焼しなければならない。 
  • 燃焼時間は5分以上とする。 
  • 炎の平均光度は,140 cd以上とする。
  • 雨量50 mm/hで点火したとき,正常に着火し,かつ,燃焼が中断してはならない。 
  • 風速18 m/sで点火したとき,正常に着火し,かつ,燃焼が中断してはならない。 
  • 製造から4年経過した時点で,上記に規定する性能を満足しなければならない。

発煙筒の素材

成分 発炎剤は過塩素酸アンモニウムや過塩素酸カリウム、硝酸ストロンチウムなどを主成分としており、火薬類取締法上の「がん具煙火」に分類されるため、同法施行規則第1条の5第6号の規定に基づく緊急保安炎筒の適合を受けた製品でなければならないとされています。

がん具用煙火(花火)とは、がん具 として用いられる花火もしくはそれに類する煙火であって、火薬類取締法施行規則第1条の 5で規定されています。使用される黒色火薬は、その成分に酸化剤を含んでいるため着火性がよく、燃焼速度が速く、黒色煙を発生させます。

発煙筒の使い方

本体の筒は紙や合成樹脂などの可燃性材料でできたものに、擦式点火部(すり付け薬,発火薬及び伝火薬)を取り付けたものでできおり、摩擦熱で着火し、強い光を出す仕組みになっています。要するに、でかいマッチみたいなもんです。

こちらのタイプは、すり付け薬が樹脂ケース側についており作りが若干シンプルにできています。このようにメーカーによって違いがありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。

発火するタイプの発煙筒では、樹脂ケースを本体後端にはめると持ち手になり、持って振る事で後続車に危険を知らせるようなケースで使うことができます。

注意したい事

JIS規格で定められている通り、使用期限は4年ですが、期限が切れたままの方も多くおられます。道路運送車両法で定められているのは、常備で会って期限まで定められていないので、車検で交換しなければならないものとはなっていないのが実情です。この機会にお車の発煙筒の期限を確かめてみましょう。

発煙筒は、発火による発光するものですので、交通事故や故障などの現場で、燃料漏れの恐れがある場合には引火する恐れがありますので、使用を控えるか十分な距離をとって設置するるように心がけてください。漏れているのが燃料か冷却水なのかよくわからない場合も念のため距離を取っておくほうが良いでしょう。

最後に

現在でも主流は従来通りの発煙筒ですが、電池式の発煙筒も発売されています。例えばLED式の電池式の発煙筒のメリットは発光時間が長いことが挙げられますが、定期的な電池の交換が必要です。また通常のものなら、いざというときに使用期限が切れていても発光する可能性はありますが、電池式は電池が切れていたら全く使い物になりませんので、よく考えて購入しましょう。

コメント