ジムニーフロントコイルスプリングのリコールが出ていることは、知っていましたが先日、スズキよりリコールの案内がやってきました。
ジムニー、ジムニーシエラのリコールについて|スズキ
フロントサスペンションにおいて、コイルスプリングの鋼材に対する塗料の密着性が不足しているため、砂や小石を噛み込んだ場合に、塗装が剥がれやすく、腐食が早期に進行するものがあります。そのため、最悪の場合、コイルスプリングが折損するおそれがあります。
改善の内容
全車両、フロントコイルスプリングを対策品に交換します。
リコールの対象車種は、ジムニーと、マツダにOEM供給している「AZ-オフロード」の2車種。2013年4月~18年2月に製造されたものとなっています。
ジムニー(JB23W)のサスペンション形式
ジムニー(JB23W)に採用されているサスペンションは、正式名称「3リンクリジッドアクスル式コイルスプリング」という左右の車輪が1本の車軸(アクスル)で繋がっているタイプの車軸式サスペンションが採用されています。
ジムニーも以前は、板バネを用いた車軸式でしたが、JA12 / JA22以降はコイルスプリングを用いた車軸式に変更されましたが、「新型ジムニー」が発売されましたがスズキ自働車は、頑なに「悪路」に強い車軸式を採用し、ファンの期待に応えています。
オフロード車の王者、トヨタのランドクルーザーは、もともと貨物の扱いから発展してきた経緯があり、60系までは、スプリングに板ばねを用いた車軸式を採用していました。80系からは、板バネからコイルスプリングの車軸式に代わり、100系以降は、フロントのサスペンション方式が独立懸架式に変わりました。トラック寄りから段々と乗用車寄りになってきていることがわかります。想定している路面も「悪路」から「フラットダート」に代わってきているのだと思います。本当はリヤサスペンションも独立懸架式を採用したいところなのでしょうが、海外では荷物の運搬にも使われるので、積載に強いトラックと同じ車軸式を採用しているのでしょう。
フロントコイルスプリング交換対策 リコール No.4807
改善箇所説明図
ジムニーは、先に説明したように、車軸式のサスペンションが採用されていますが、この車軸式は、コイルスプリングとショックアブソーバーが別々に取り付けられています。そしてコイルスプリングの取り付けは、リーディングアームとラテラルロッド(図の赤丸部分)の3点で車体と車軸を挟んだ形になっています。ですからコイルスプリングが折れ外れてしまうと、車体を支えるものがなくなることでボディが下がりタイヤとの干渉により走行不能となりますし、フロントですのでハンドルが切れなく恐れもあります。通常のリコールでは、点検して不具合があれば交換というパターンもありますが、今回のリコールでは重大さを鑑み、即交換となっているのではないかと思われます。
フロントコイルスプリング(対策品)
左側のゴムチューブが巻いてあるのが対策品です。右側がリコール対象のスプリングです。
チューブを巻いている方が下になります。
コーションプレートのリコール対策済みのマーク(緑色の丸)
リコール完了の証、リコールステッカー。
2020年11月1日より、リコースステッカーが廃止されるようですね。
リコールを実施した車両に貼付しておりましたリコールステッカーを、令和2年(2020年)11月1日より貼付を廃止いたします。
なお、令和2年(2020年)10月31日までに届出したリコールにつきましても、令和2年(2020年)11月1日のリコール対策の実施から貼付することを一律に廃止いたします。
貼付を廃止する理由について
今般の通信技術の進歩により、車両の入庫を伴わないリコール作業(電子機器のソフトウエア更新)について、検討が進められています。
また、インターネットやスマートフォン等の普及に伴い、お客様ご自身がホームページ等でリコール対策の実施状況を確認できることから、リコールステッカーの貼付を廃止いたします。
最後に
メーカーから通知が来るものには、リコールだけでなく、メーカーが自主的に行うサービスキャンペーンなんかもありますが、どちらにせよ何らかの不具合があるために行っているものですので、そのような場合には、放置せずに改修作業を受けるようにしましょう。
この機会に、社外品のスプリングに交換してインチアップしてしまうのもいいかもしれませんね。
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