筆者は、標準ズームは、「XF16-55mmF2.8 R LM WR」を使っていたのですが、描写は良いのですが、なんせデカい!気軽に持ち出せるレンズが欲しくなり手に入れたのが、コンパクトで軽量な交換レンズでありながら、その描写にも定評のある「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」です。
購入してから一年ほどになるので、私なりの感想を書いていきます。これから購入を考えている方の参考になれば幸いです。
 軽量・コンパクト
9群10枚のレンズ構成で、そのうち非球面レンズが3枚、EDレンズを2枚も採用しているのに、全長44.2mm(収納時)で重さが135gと非常に軽量で、「Xシリーズ」用交換ズームレンズの中で、最小・最軽量となっています。
レンズ本体は、沈胴式を採用しており、電源をオフにすると自動で収まり非常にコンパクトになりますので、カメラに付けたままでも邪魔になりません。
上位モデルよりもワイド
Xシリーズのラインナップで標準ズームには、「XF16-55mmF2.8 R LM WR」、「XF16-80mmF4 R OIS WR」、「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」などがありますが、これら上位モデルのレンズは、広角側が16mm(換算24mm)・18mm(27mm)~なのに対し、「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」は15mm(換算23mm)~とワイドになっています。たかが1mmの差と思うかもしれませんが、広角の1mmは、意外と大きいですよ。
上:「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」の15mm
下:「XF16-55mmF2.8 R LM WR」の16mm
手振れ補正
小さくても約3段分の光学式の手ブレ補正機能も搭載しています。今となってはたかが3段かもしれませんが、ないよりは全然マシです。
マクロ性能
マクロ性能も優秀で、画像は、コケの上に落ちたイヌマキの実を写したものですが、レンズ先5cmぐらいまで近づくことができるので、散歩中に気になったシーンもこのレンズ一つでOKです。
レンズのリヤキャップを最短で写したものです。
電動ズーム
ズームリングの操作で電動ズームでを操作するのですが、速度を低速と高速に切り替えることができまるので使いやすく、一定の速度でズーミングすることが可能です。手動よりは時間がかかりますが焦点距離が短いので知れてます。
富士ユーザーは慣れが必要かも?
XFレンズは、レンズ側にある絞りリングを回すことで絞り値を変えますが、手動でズームするのですが、このレンズはレンズに絞りリングはありませんので、カメラ側のダイヤルで絞り値を変えることになります。しかし、XFレンズに慣れていると、つい忘れてレンズ側を探っては、電動ズームを動かしてしまいます。これは慣れの問題ですね。
エントリークラスなのに
XCレンズには、「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」と「XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II」の標準ズームが2本ありますが、前者は非球面レンズ 3枚、EDレンズ2枚、後者は非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚を使っています。※異常分散レンズ=EDレンズ
メーカー | 富士フィルム | 富士フィルム |
型番 | XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ | XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II |
レンズ構成 | 9群10枚 (非球面レンズ 3枚、EDレンズ2枚) | 10群12枚 (非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚)※1 |
焦点距離 | 15 – 45mm(換算:23 – 69mm) | 16-50mm(換算:24-76mm) |
開放絞り | F3.5 – F5.6 | F3.5 – 5.6 |
最小絞り | F22 | F22 |
絞り形式 | 羽根枚数:7枚(円形絞り) | 羽根枚数:7枚(円形絞り) |
撮影距離範囲 | 広角:13cm – ∞ 望遠:35cm - ∞ | 標準 0.6m-∞(ズーム全域) マクロ 広角:15cm-10m、望遠:35cm-10m |
最大撮影倍率 | 0.24倍(ワイド側) | 0.2倍(W端) |
外形寸法 | φ62.6mm×44.2mm(収納時) | ø62.6mm × 65.2mm(W端) ø62.6mm x 98.3mm(T端) |
質量 | 約135g | 195g |
フィルター | φ52mm | ø58mm |
他のメーカーのミラーレスAPS-C用のレンズどうなのか?
例えば、キャノンのEOS KissM2のキットレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」では、「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」と同じ9群10枚のレンズ構成ですが、非球面レンズ3枚のみでEDレンズが使われておりません。
メーカー | キャノン |
型番 | EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM |
レンズ構成 | 9群 10枚(非球面レンズ3枚) |
焦点距離 | 15-45mm(換算:24 – 72mm) (EOS-M使用時) |
開放絞り | F3.5-6.3 |
最小絞り | 1:22-40(1 / 3 段表示の場合) 1:22-38(1 / 2 段表示の場合) |
絞り形式 | 羽根枚数:7枚 |
撮影距離範囲 | 0.25m~ |
最大撮影倍率 | 0.25倍 |
外形寸法 | φ60.9 × 44.5 mm(レンズ収納時) |
質量 | 約130g |
フィルター | 49mm |
しかし、実売価格から考えるとレンズ単体で購入する場合には、価格差が大きく性能の差が如実に反映されていますので、一概に優劣を決めれるものではありません。
ただ言えるのは、それぞれのメーカーが考えるレンズ性能の基準が違うということ。富士フィルムは、初心者であっても最低限、このクオリティのレンズで撮影をしてほしいと考えているのだと思われます。
ですので、これから購入を検討されている方は、レンズキット購入がお得です。
描写
造りはチープで描写の方は期待していなかったのですが、初めて撮影した時に、良好な描写で驚いた記憶があります。ただ、ずっと「XC15-45mm」を使っていて、「XF16-55mmF2.8」を久しぶりに使うとその抜けの良さにびっくりします。描写にこだわって開発されているレンズと軽量コンパクトでコストにも配慮したレンズを比べること自体ナンセンスかもしれませんね。「XC15-45mm」から始めるなら、単焦点のレンズを加えていけば十分ではないかと思います。
レンズフード
このレンズには、残念ながらレンズフードが付属しないどころか用意もされていません。したがって社外品を探すことになりますが、このフードは先端部分にもネジ溝が切ってあるので67mmのフィルターを付けることが可能です。
穴の開いたフードが嫌なら、ニコンのHN-1がフィルター径が52mmなので流用できそうです。
レンズリヤキャップ
カメラにつけっぱなしの方は不要かもしれませんが、レンズのリヤキャップがコストカットの為にチープなので、ちゃんとしたリヤキャップを用意しておきたいところです。
キットで購入して絶対損はしませんし、今後ステップアップしたとしても気軽に持ち出せるレンズとして重宝することは間違いありません。レンズ単体で購入するには3万円以上するので、サブカメラとして型落ちの「X-A5」のレンズキットならレンズ自体は1万円ほどで購入できることになります。
「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS」の良さが伝わったでしょうか?ぜひ使ってみてください。
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